5. Comedian Blues    フォントを大きくする フォントを小さくする

ココ最近、夜寝付けない時に、松本人志の「遺書」と「松本」を読み返していた。私のココ10年以上の、 大好きな芸能人のトップは、デーモン・ウェイアンズとダウンタウンで2組共にコメディアン。私は、コメディアンが非常に大好きだ。 非常と言うか、異常な位好きだ。まぁ、普通嫌いな人はいないと思うが... 私は、彼らを尊敬している...

私は、小さい頃から漫才やコントをTVで見るのが大好きで、小さい頃に放送していた「お笑いスター誕生」を見たさに、土曜日は、 学校から即効で走って家に帰った程だ。「花王名人劇場」も漫才の時はほぼ毎回見ていたし、横山やすしが司会の日曜の番組も見ていた。 小学生の頃、周りは光ケンジで「キャー、キャー」言っている頃、私はビートたけしのファンクラブに入っていたくらいだし、 あのねのねが、初めてライブで見た芸能人だ。私は、それくらい「笑い」に貪欲だった。やっぱり、誰だって笑う事は大好きだし、 いつだって笑っていたいと感じる。そんな「笑い」を提供してくれるコメディアン達には、尊敬してしまうのだ。

彼らは、「笑い」を提供する為に、家族だって犠牲にする時だってある。先に書いた「遺書」で松ちゃんは、 「家族を不幸にするし、笑いと家族を取れと言われたら、俺は笑いと取りかねない」と書いていた。もう一人のウェイアンズは、 早くに結婚し家庭を作ったが、その家庭をネタにし家族から「家族を犠牲にするな」と言われ、それが出来なかったデーモンは離婚した。 結果的ではあるが、デーモンは「笑い」を取った形になる。いや、ちょっと待て。「家族を犠牲」では、その2人からしてみたら、 丁度いい言葉でないかもしれない。「提供」。よく番組の始めに「提供は...」とナレーションが入るが、あんな感じではないだろうか。 TVの提供が自分たちの利益(お金)になる事を願って、お金を払っているように、コメディアンの家族も収入(お金)が入る事を望んで、 家族はネタを提供している...みたいな。それに、プロでお金を貰っている以上、笑わせなくてはならないという、プレッシャー。 プロの目が感じた「笑い」が自分が実際に家族で経験した事である以上、彼らはそれを「ネタ」にするだろう。 とくに、結婚して家族を持っていたウェイアンズは、余計にその中で生活している訳だから、その中から「ネタ」を発見する事が 多いだろう。

「Comedy is pain(苦痛)」「Comedy is remedy(治療)」という両方の言葉を聞いた事がある。先の「pain」は、 ウェイアンズの実の兄、キーネン・アイボリー・ウェイアンズが言った言葉だが、コメディは、人間に近い部分であるが為に、 苦痛でもあり、治療法でもあるのだと思う。自分たち(コメディアン)が、実際に感じた事を、風刺たっぷりに言ってみるのは、 世相を反映しているし、コメディアンの口から発しられた事で、笑いに変えて、苦痛が和らぐ事だってあるかもしれない。 音楽についても、同じように言えると思うが、音楽の場合は「笑いあり、涙あり、感動あり」と、どんな色づけしても構わないのに対し、 コメディアンの場合は「笑わせなくてはならない」という一つの任務がある。だから、余計に時間や能力を使う事になるのだろうと思う。 例えば、アメリカの奴隷制があった頃、アフロアメリカンには、スピリチュアルソングと、小話があった。スピリチュアルソングでは、 奴隷の苦しみや希望を歌にして歌い、小話では、自分たちの苦労を笑いに変えて、自分たちの苦悩を耐えた。

そんなコメディアン達は、生物だ。コメディアンとして、トップでいられるのは、ホンの一時期だけな気がする。 私も、昔みた漫才をまた見たいと感じる事が多い。例えば、ダウンタウンの「あ」の研究家とか、漫才ブームの頃の「ツービート」や 「紳助・竜助」の漫才とか、デーモン・ウェイアンズの「イン・リビング・カラー」の頃の生の舞台や、 エディ・マーフィーの80年代のステージを生で見てみたいと思う。絶頂期のコメディアンには、いつも凄いパワーが感じられる。 特に、しゃべりだけが頼りの漫才(アメリカではスタンダップコメディ)では、余計に、感じてしまうのだ。 もちろん、面白い「ネタ」はいつ聞いても面白いのだが、やっぱり、パワーがある時に聞く漫才は、格段に違う。 だからみんな、ある程度のパワーが衰えてくると、漫才とかやらなくなって、TVのパーソナリティーやら、 政治家何かになってしまうんだろう。何か、あのパワーのある時の漫才を見ていたのが、幻を見たような感覚。 だから、私は追い求めてしまうのだろうか...

私たちに、至上の「笑い」というマジックにも似た幻を見せてくれるコメディアン達。そんな彼らの為に1度はラブレターを 書いてみたかった。もっと沢山の良質なコメディが増える事を願って、終わりにしたい。


7/28/02
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