100
Cast >>Dave Chappelle
Director >>Stan Lathan
Writer >>Dave Chappelle
Producer >>Dave Chappelle
Genre >>Stand-Up
Country >>USA

 総合ポイント 4.75点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>4 演出 >>5 音楽 >>5

 レビュー
"The joys of being wrong"
(Reviewed >> 1/2/18:VODにて鑑賞)

 100本映画
時代の寵児デイヴ・シャペルが語る今『デイヴ・シャペルの冷静沈着』

今から15年前の2003年1月、アメリカのコメディ番組ばかりを放送するコメディセントラルというチャンネルで『Chappelle’s Show / 日本未放送 (2003-2006)』というバラエティ番組が開始され、この番組でデイヴ・シャペルは伝説となった。間違わないで欲しい。デイヴは、元々人気者だった。黒人の間では、『デフ・コメディ・ジャム』やHBOの『Dave Chappelle: Killin’ Them Softly / 日本未公開 (2000) (TV)』などで知らない人は居ない位の人気だったのだ。けれどそれを上回る人気となり伝説となったのが『Chappelle's Show』である。それはすなわち黒人にとってメインストリームで当てたという事だ。しかしデイヴはその番組の途中で逃避行をした。アフリカへ... そして去年の『Dave Chappelle : The Age of Spin: Live at the Hollywood Palladium / デイヴ・シャペル (2017) (VOD)』と『Dave Chappelle : Deep in the Heart of Texas: Live at Austin City Limits / デイヴ・シャペル (2017) (VOD)』での完全復帰に続いて、年末にNetflixにて配信開始となったこの2本を続けて...

まずは『Equanimity』。
「Equanimity」、私には全く聞き覚えのない難易度が高い英語。冷静、落ち着きという、今回日本のNetflixがつけた邦題の意味である。デイヴ・シャペルの出身地であるワシントンDCの比較的に小さい会場で開催されたスタンダップコメディのライブ。あの名曲「Killing Them Softly」が会場内に流れる。上でも触れたデイヴの以前のスペシャルと同じタイトル。しかも『Chappelle's Show』でも使われたロゴがステージに映し出されている。デイヴはあいさつ代わりに、いきなりパンチライン(いわゆるオチ)を発表してしまう。ここで説明しておきたいのは、デイヴはパンチラインを大事にする人だ。普通のスタンダップコメディは大小様々なオチがあり、色々な面白い話をしているだけである。殆ど繋がりはない。しかしデイヴの場合は、色々な話をしているが、実は一つに繋がっていて、話のどこかで落とした伏線的なパンチラインを、最後の最後に大ネタのオチとしてまた持ってくる。デイヴは非常ーーーーーにこれが上手い。毎回ではないが、それが多い。そしてそれがある時は最後、私はいつも驚きと感動でわーお!とアメリカ人のように大きくリアクションしてしまう。今回のデイヴはそれをわざと分かりやすく、しかもはっきりとこれがパンチラインだよと言ってから、このライブを始めている。普通、大ネタのオチが分かっていたら、絶対につまらない筈である。しかし、私はやっぱりこのライブの最後で「わーお!」とアメリカ人のようにまた叫んでしまった。人々を唸らせる。その言葉がピッタリだ。

ネタは以前にライブでお客さんを怒らせた事に対する恨み節から、ラッパーNasと遊んだ時の事、44歳になった自分の老い、トランプと北朝鮮、初めての選挙...と多種多様。全てがデイヴが実際に経験、そして思った事を語っている。その中でも流石だと思ったのは、元オリンピック選手で現在はお騒がせ家族として知られるカーダシアン/ジェンナーの家長だったブルース・ジェンナーの性別変更について。「お前たちは、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)が名前を変えるよりも、ブルース・ジェンナーが性別を変える方がなんで簡単だったなんて疑問にすら思ってないだろ?」やられた。そしてシカゴからミシシッピに遊びに行った14歳が...と話し始めた時点で、私はすぐにエメット・ティルの事だと分かった。けれどオチまでは予想出来なかった。「わーお!」これにはやられた。痺れた。

『The Bird Revelation』。
これタイトルの「The Bird」の部分は、開始早々に引用文が出てくるチャーリー・パーカーの事だと思われる。「チャーリー・パーカーの黙示録」と言った感じだろうか?今回の場所はLAの有名なコメディクラブ「The Comedy Store」の一角にある物凄く狭い(恐らく50人も入れないキャパ)「The Belly Room」でのライブ。目と鼻の先に観客がいる。今回のツアーの一番最後。収録したのもごく最近の筈で、ハリウッドのセクシャルハラスメントのスキャンダルについても、ごくごく最近のケヴィン・スペイシーの事まで語っている。即興の神チャーリー・パーカーよろしく、これはデイヴの即興ライブ。考え抜かれた『Equanimity』とは違う事は一目瞭然だ。観客の反応などを観つつ、デイヴは即興でネタを考えている印象を受けた。というのも、割と探りながらやっている間を物凄く感じた。そして50分弱と割と短い。けれど、これはコメディを本職にしている人たちから観たら、凄い挑戦なのは分かるだろうし、それが出来るデイヴを羨ましく思う筈だ。

ネタは旬なものばかり。しかもかなりのチャレンジャー。確実に問題となる発言を沢山している。とくに、ハリウッドのセクシャルハラスメント問題に関しては、ハリウッドで誰一人として切り込まない所を切り込んでいる。確かに問題視されているように、セクシャルハラスメント被害者への配慮は欠けている。私はレイプなどの被害は受けた事がないが、電車で触られたり、変な手紙をポケットに入れられたりという嫌がらせは若い時に何度も受けた事ある。なので、咄嗟に何も出来ない&声も出ない恐怖は分かっている。その時の仕事が別に私の夢という訳ではなかったのもあるかもだが、私は痴漢に耐え切れず、仕事を辞めた。そんな事で?と思われるかもしれないが、なんで私の方が少し早く起きて乗る線を変えたりしなくてはいけないのか?と考えたら、馬鹿らしく、そして悔しくなって、もう耐えきれなかった。それに『ハウス・オブ・カード』の結末が知りたいから告発をあと6か月待って欲しいとは絶対に思わない。セクハラ問題で思うのは、被害者に「ああしておけば良かった」「こうすれば良かった」などと言って欲しくない。頭では分かっている。でも実際にはそれをする事は本当に難しいもの。経験した事のない人にそれを語って欲しくない。元アメリカンフットボール選手で今は俳優のテリー・クルーズがセクハラを告発した時には、あんな体なのにとか散々言われた。あれは酷かった。セクハラ問題では、加害者でも被害者でもない人が出来る唯一の事は被害者の話に耳を傾け黙って聞いてあげる事。セクハラの部分はやっぱり納得出来なかった。
しかし最後、デイヴはアイスバーグ・スリムの著書「ピンプ」のラストについて長々と語る。そして今回はどれが伏線で、何がパンチラインなのか最後の最後まで分からない。最後、私はやっぱり「わーお!」と唸った。しかも一回では足りず「わーーお!」と更に大きな声で母音を伸ばしてもう一回繰り返した。これにはやられた。痺れた。

所で、このデイヴだけでなく、近頃日本のお笑いも何だか騒がしい。デイヴやスタンダップコメディの神リチャード・プライヤーを観て思うのは、彼らは実体験に独自の観点を加えて物語を語っているのに対して、日本の漫才は最近は特に漫才というかコント化していて、想像力豊かなシチュエーションのお笑いが多い。それはそれで面白いと思う。日本にも面白いコメディアンは一杯居る。それ以上に好きなのが、デイヴとプライヤーの実体験の苦痛が産み出した笑い。深い所にある。この深みがたまらない。大笑いしているのに、心はガツンとやられてしまう。この衝撃度を経験してしまうと、やめられない。

 トリビア
時代を反映する人気コメディアンのデイヴ・シャペルのスタンダップコメディライブ映像!2017年に話題になったライブ同様にネットフリックスのオリジナル。

 その他
同時配信開始『Dave Chappelle: Equanimity

 受賞歴

 サウンドトラック


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 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt7808620/
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Last Modified: 2018-01-02
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