1938
Cast >>Tony Musante (Joe Ferrone), Martin Sheen (Artie Connors), Beau Bridges (Pfc. Felix Teflinger), Robert Bannard (Pfc. Phillip Carmatti), Ed McMahon (Bill Wilks), Brock Peters (Arnold Robinson), Ruby Dee (Joan Robinson), Jack Gilford (Sam Beckerman), Jack Gilford (Sam Beckerman) ...
Director >>Larry Peerce
Writer >>Nicholas E. Baehr
Producer >>Edward Meadow, Monroe Sachson
Genre >>Drama
Country >>USA

 総合ポイント 5点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>5 演出 >>5 音楽 >>5

 レビュー
Detachment
ニューヨークの街角。ジョー(トニー・ムサンテ)とアーティ(マーティン・シーン)は、人に迷惑を掛けながら気ままに生きている青年だった。遊び足らずにタイムズスクエアに行く事になった。既に真夜中の3時過ぎ。まだ週末の遊びから家路を急ぐ人達も居て、朝になれば月曜日で仕事に行かなければならなかった。軍人の若い2人、パーティに出席した夫婦、妻の実家から家に戻る子持ちの夫婦、イチャイチャしていた若いカップル、ユダヤ系の老人夫婦、そして黒人夫婦(ブロック・ペーターズ&ルビー・ディ)を乗せたサブウェイは、途中ジョーとアーティが乗ってきて、彼らにとって信じられない長い夜が始まるのだった。

ある狭い空間の中でやたらと気まずく感じる事は、生きていれば多々ある。女の人なら一人でエレベーターに乗っている時に、突然一人の男性が乗ってきて2人きりになると、何だか「何も起こらなければいいが」と不安になる事もある。電車やバスで酔っ払いが乗ってきても同じように感じる。マックでお茶していて、大勢の高校生が賑やかにやってきても「嫌だな」と感じたりしてしまう。同じ空間を共有する以上、そこにはルールがあるのだ。そのルールを平気で破っていく人達、それがこの映画ではジョーとアーティだった。まるでコンビニの前で無駄にたむろする不良のような存在。大人たちは「何もするなよ」と無言で願う。大人は無関心を装う。関わらない方が良いに決まっているからだ。しかしこの映画の舞台となった電車のように狭い空間だと、それすら出来ない。関わらなくてはならないのだ。

しかし面倒な存在が絡んでくると、実は自分達も面倒な存在だった事も明らかになっていく。無関心で避けていた厄介な事。起こるべきして起こった事件。
(Reviewed >> 11/16/11:TVにて鑑賞)

 100本映画
うちのオヤジさんが、TVで偶然見ていた映画です。面白くて、ついつい釣られて見ました。で、最後はあまりに面白かったので、再放送で録画してまた見ました。「アラバマ物語」などで有名なブロック・ペーターズとあのルビー・ディが出演。ブロック・ペーターズが凄いです。この映画、1967年の映画です。1967年といえば、アメリカでは公民権運動が真っ盛り。サーグッド・マーシャルが黒人として初めて最高裁判所判事となった年です。1年前の1966年にセルマ大行進。次の1968年にはキング牧師が暗殺されている。キング牧師が暗殺されてしまう前年度は、その前に暗殺されたマルコムXへの同情と、そしてキング牧師がベトナム戦争への反対を表明した為にバッシングを受けていた時であった。その世相を反映しているのか、ブロック・ペーターズが演じるアーノルドはハッキリと「俺は非暴力主義なんかじゃないんだ。待っている時間なんて無いんだ」と話す。「待っている時間」とは、キング牧師が生前に「辛抱の待つ時間が大事だ」と言っていたからだ。このアーノルドは口悪く、白人へ差別語を使い憎悪を顕にしている。白人へも毅然と言うのです。この時代の南部だったらあり得ないです。地下鉄に乗る時に、ブースに居た白人の職員に「今、別の事をやっているんだから待て」といわれると、「いい加減にしろ!」とキレます。この場面を見て、私もうちのオヤジさんもこの映画に釘付けになりました。

映画は2人の不良が電車に乗ってきた事で起こった「事件」。不良の一人がマーティン・シーン。弱いくせに悪いんだ!でももう一人の方がもっと悪い。舞台は日曜の夜中3時頃。不良の2人はビリヤード場が3時までなのに、全然帰る気配なし。店の人がいい加減にしてくれ!と怒ると、逆ギレ。途中で強盗したりしながら、電車でタイムズスクエアに向かう事にした。夜中なんだけど、地下鉄には結構人が乗り込んでくる。妻の実家に行っていて遅くなった子持ちの夫婦に、パーティーに出掛けていた倦怠期の夫婦、ユダヤ人の老夫婦に、軍人の若い2人、そしてイチャイチャしていた若いカップル、アル中の老人にゲイの若者、そしてブロック・ペーターズとルビー・ディの黒人夫婦、そして酔っ払い。彼らが運悪く、不良の2人と電車で乗り合わせてしまう。不良の2人は乗ってきた瞬間から騒いでいて、周りは嫌だなーと思っている。何にもないように無視するのが一番!と思っていて、そうしていたんだけど、アル中の老人が「止めろよ!」って言った瞬間から、みんなに絡むようになる。

まあ日本でもここまではなくても軽いこの状況はありますよねー。電車とかバスで迷惑な人って居る。昔、最終のバスで満杯で帰った事がある。私は真ん中の方に居たのだけど、前の入り口付近で酔っ払いが騒いでいた。嫌だけど、真ん中だから...と思っていたら、前の男の人が「お前迷惑なんだよ!」って怒ったら、その酔っ払いが静かになった。誰だ?言ったの??と思って、最寄のバス停で降りたら、うちの兄だった。あの時だけはかっこよく見えたね、兄が。まあでも普通はこの映画みたいに、絡むと余計に面倒な事になる。軍人の若い2人は、一人はニューヨーク出身で、もう一人がオクラホマ出身。オクラホマ出身の純朴な若者を演じたのがボー・ブリッジス。ここでは割りとお馴染みですね。「The Landlord / 真夜中の青春 (1970)」とか「For Love of Ivy / 愛は心に深く (1968)」にも出ていた。ニューヨーク出身の方は、「こんなのは割りとあるから、無視するのが一番」と言っているんだけど、ボー・ブリッジスはガンガンと突き進んでいくんです。所で、この2人が地下鉄に乗る前にニューヨーク出身の子(イタリア系)の実家で夕食をご馳走になっていて、それがラザニアなんです。でもボー・ブリッジスの役は知らない感じでしたね。この頃はまだメジャーな食べ物じゃなかったんですね。

性質の悪い不良に絡まれた事で、実は普通を装っている被害者の乗客の悪い所も顕になっていくのです。無関心でいる怖さもある。で、最後に警察が入ってくるんですが、なぜか何にもしていないブロック・ペーターズを捕まえようとしてしまうのです!!この映画でのブロック・ペーターズは見ごたえたっぷりです。不良の絡まれた時の表情とかたまらないです。あの不良に絡まれたシーンは、うちのオヤジさんも言葉を失い、見入っておりました。何とも言えない、感傷的で屈辱的なシーンです。

夜が明ければ月曜日で仕事に行かなきゃいけないという憂鬱さもある。日本で言うならサザエさん症候群的な憂鬱。毎日が退屈な平凡な生活。でも、その平凡が本当は幸せなんですわ。

面白い事にこの前見た同じニューヨークの地下鉄が舞台の「Dutchman / 日本未公開 (1967)」も同じ1967年の制作。あちらはイギリス制作でしたが...見比べても面白いですね。あちらの被害者とこちらの被害者を比べるだけでも面白い。

 トリビア
マーティン・シーンやボー・ブリッジス、そして「アラバマ物語」のブロック・ピータースとルビー・ディが出演している作品。

 その他

 受賞歴
* Cinema Writers Circle Awards, Spain
1970 Won CEC Award Best Art and Experimental Film

* Mar del Plata Film Festival
1968 Won Best Actor : Tony Musante

 サウンドトラック


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 リンク
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 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt0061814/
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Incident_(1967_film)
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=1467

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Last Modified: 2011-11-19
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