私は、ラップミュージックも大好きだ。私が好きになった頃に、パブリック・エネミー等のメッセージ色が
強いグループが居たからだと思う。その彼らが下火になってきて、ラップミュージックがポピュラー化し始めた頃から、
ちょっと距離を置いた時もある。最近は猫も杓子も聞いているラップミュージック。やっぱり、嫌いにはなれない...
それには、訳がある... ビル・オーライリーっていう、最近人気のキャスターがいる。彼は、この前の9/11以降、強いアメリカを象徴した言葉を繰り返し、 人気者になった。その彼が、先日テレビで、子どもに悪影響を与えるエンターテイメントっていう特集をしていた。 その中には、マリリン・マンソンに代表される先鋭ロックや、ラップ、「アメリカンパイ」のようなティーン向けの映画等を紹介していた。 他の事は、私も詳しくないので触れないが、ラップに関しての彼の意見が、滑稽だった。 ラップの創設者とも言える、ラッセル・シモンズが彼のインタビューに答えていた。 オーライリーは、「アフリカ系アメリカ人の10歳ぐらいの子供達のボキャブラリーが、他の人種から比べると劣っているのは、 ラップのせいでないか?」と言い放つ。シモンズは、微笑交じりに「君は彼らの事そんなに心配しているのか?そうは見えないけど」と 繰り返していた。私は思う。私は、彼(オーライリー)がその子供たちの事を心配してようが、してまいが、気にしてはいないが、 その意見は滑稽過ぎる。だったら、ロックが、そのロックを聞いていると思われる人種のボキャブラリーを助けているのだろうか? だったら、昔彼らが聞いていたソウルミュージックが、彼らのボキャブラリーを増やしていたのだろうか? 確かに、ラップで使われている言葉は、悪影響だとは思う。がしかし、そのオーライリーの意見は、こじ付けにしか聞こえて来ないのだ。 彼は、さらに曲の一部分だけを引用していた。曲全体を聞いてみたら、印象が違う曲だってあるのに... 確かに、悪影響を与える言葉だってある。だけど、それらを聞かせない事だけが、子供への教育の仕方なのだろうか? 確かに、その汚いとされている言葉を聞かなければ、それが一番いいのかもしれない。 だけど、それらの言葉を大人になるまで聞かない子供なんて、どこにいるのだろうか? それよりも、そんな言葉を使わせないように、子供に話す方がよっぽど効き目があると思う。 さらに、オーライリーは、ラップレーベルロッカフェラのCEOであるデーモン・ダッシュに向かって、 「システムに従う必要がある」とまで言った。ダッシュは、「君がそのシステムかい?俺達は、自分たちの文化を蔑ろにして、 君たちみたいに振る舞わないとならないのか?」と返していた。それは、ダッシュの意見そのまま、私の意見だ。 先に書いたように、私は、メッセージ色の強いラップが大好きだ。
色々な問題をストレートに投げかけ、聞く者を考えさせる。今のように「グッチのスーツだ、女だ、スモークだ、
ジープだ、ジェットスキーだ」と言っているラップ。でも、今のラップにも昔のようなストレートさはないが、
メッセージが隠れているように思える。わざと分からないように、隠すように...
だから、聞く人によって、だいぶ印象が違うのではないかと思う。いつから、そうなったのだろう? |