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●● レビュー American Shadowベトナム戦争やブラックパワーの台頭により、時代が変わりつつあった1968年。ハーレムを牛耳っていたギャングのバンピー・ジョンソン(クラレンス・ウィリアムス・3世)が亡くなり、ハーレムの時代もまた変わろうとしていた。バンピーのヘンチマンだったフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)が、ライバルのニッキー・バーンズ(キューバ・グッティング・ジュニア)に負けない為にも、純度の高いヘロインが手に入るタイに渡り、直接取引きを始めた。その頃のニューヨークは腐敗した刑事達が横行しており、フランクも強請られていた。その中立ち上がったのが、麻薬特別捜査のリッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)だった... こういう実在する人物を題材にする場合、ラストというか、今現在のその人たちの姿が観客としてももっとも気になる部分だと思う。今回題材になった人物は、ハーレムに一世代を築いたギャングスター。カリスマ性はあっても、決して善良な市民でない事を十分に頭に入れておきたい。そういう場合、やっぱりラストとしてはその人物が罪を反省に更正している姿を私は望んだ。 確かにフランクとリッチーが結びつくまでの過程のドラマはドキドキする。冷酷でありながら、行動力のあるビジネスマンを思わせるルーカスを演じたデンゼル・ワシントンと、破天荒ながらも正義に立ち向かうリッチーを演じたラッセル・クロウの両人共にオスカーに値、いやそれ以上の輝きを持った演技をしている。2時間40分の長い映画とは思えない位に、観客は必ずしも2人の姿に釘付けになるだろう。 ある所に手が届いた「アメリカン・ライフ」という名の非常に現実味のあるストーリーにも思える。ラストも私が望んでいた物とは違うが、確かにアメリカという国を象徴したような終わりかもしれない。でも結局の所、何を目的に作られた映画なのかが、ハッキリしなかった。ギャングの一時代を駆け抜けたフランク・ルーカスを描きたかったのか、それも刑事達の汚職を描きたかったのか?フランクの描き方も中途半端で、家族思いのフランクが最後には見事に家族を裏切る。フランクという人が全く見えなかった。彼の悪い部分と人間的な部分が出てくる。ギャング映画としては非常に面白いだろう。でもこの映画にはそれ以上のパワーを秘めているだけに、悪い事をしておきながら上手く法を潜り抜けた主人公の姿に、社会への影響を考えてしまうのは大げさだろうか?確かに彼は汚職刑事を戒めた、でも彼もまた法をやぶった悪なのだ。それを上手く描けていなかった事に非常に残念に思う。もっとパワーのあるラストを望んだ。ギャングというイメージを弄んだようにも思えるのだ。 どうしてフランク・ルーカスを題材に映画を作ったのか?その一番大事なポイントが見えてこなかったのが非常に残念である。 (Reviewed >> 11/9/07:劇場にて鑑賞) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア デンゼル・ワシントンがベトナム戦争終結の70年代から80年代に活動していたハーレムのへロイン売人のフランク・ルーカスを演じるクライムストーリー。デンゼルと同じくオスカーの主演賞に常連のラッセル・クロウと再び共演するのも話題。監督は「ブラックレイン」のリドリー・スコット。 共演には、「エージェント」にてオスカー助演男優賞に輝いているキューバ・グッティング・ジュニア、ミュージシャンのT.I.にコモン、RZA、アンソニー・ハミルトンが共演し、俳優の「Talk To Me」のキウェテル・イジョフォー、「Daddy's Little Girls」のイドリス・エルバ等旬の俳優も多く出演している。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 * The BEST OF SOUL2007 Won Best Female Performance of the Year (Drama) : Ruby Dee |
●● サウンドトラック 1. "Why dont we do it in the road" - Lowell fulsen2. "Only the strong survive" - Jerry Butler 3. "Checkin' up on my Baby" - Sonny Boy Williamson 4. "Back to Bangkok Blues" - Harry Garfield 5. "Hold on I'm Comin'" - Sam and Dave 6. "Guess things happen that way" - Johnny Cash 7. "No shoes" - John Lee Hooker 8. "I'll Take you there" - The Staple Singers 9. "Do you feel me" - Anthony Hamilton 10. "Good Lovin" - The Rascals 11. "Across 110th Street" - Bobby Wemack 12. "What time it was" - Daniel MAX 13. "Weeding March" - Dertalan Hock 14. "Winter wonderland" - Louis Armstrong 15. "How great Thou Art" - Stuart K.Hine 16. "Can't Truss It" - Public Enemy 17. "Stone, Cold" - Anthony Hamilton 18. "Tres Amigos" - Hank Shocklee 19. "Club jam" - Hank Shocklee 20. "Railroad" - Hank Shocklee 21. "Nick Barnes" - Hank Shocklee 22. "Afro Beat" - Hank Shocklee Soundtracks from Amazon.co.jp |
●● 関連記事 * Cinemoreにて、『アメリカン・ギャングスター』アンチヒーローになれなかったアメリカのギャングスターを描くクライムドラマを寄稿。(12/30/19) |
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●● インフォサイト http://imdb.com/title/tt0765429/http://en.wikipedia.org/wiki/American_Gangster http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329107 |
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