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●● レビュー Stylish and flashy in empty storyトミー(DMX)とシンシア(ナズ)は幼い頃からの親友で実の兄弟のような関係だった。二人は仲間と共にクラブへの強盗を成功させた。トミーは勢力拡大の為に、ジャマイカの麻薬取引の権力者レノックス(ルイ・ランキン)との取引を開始させ、全てが順調に見えた。しかしシンシアは妻のティオン(ティオン・ワトキンス)からの願いもあって、足を洗おうとしていた... 監督のハイプ・ウィリアムスは音楽ビデオ界では成功し尊敬されている監督だ。その監督の監督の代名詞とも言えるスタイリッシュで美しい色使いはこの映画でも十分に生かされていて、特にトミーの豪華なアパートと彼女の肌の描写で上手く表現されている。またレノックスの豪邸での暗闇の銃撃戦も中々面白い。そしてさすがに音楽ビデオ監督だけあって、音楽も上手く映画に生かされている。しかしストーリーテイラーとしては、まだまだ幼稚さが見える。ナレーターが二人存在するのはこの場合間違いだと思えた。幼馴染がそれぞれ別の道を歩んでいき開眼していく...というのは、目新しいストーリーではないし、その過程の描写が説明不足を感じる。トミーに至っては、あっさりと変わってしまった印象。全米、そしてジャマイカにまで飛んだ麻薬取引の様子は真に迫る物があり興味深い部分ではある。ただ、それを表現する人々のナズやティオン・ワトキンスにタラル・ヒックスは役不足だった。 ハイプの飛びぬけたカッコイイ映像の数々等のアイデアは面白い。ただ物語の多くの部分において役不足を感じたので、この映画の本質が見えてこないのが残念。 (Reviewed >> 6/3/10:DVDにて鑑賞、Unknown:TVにて鑑賞) |
●● 100本映画 ジャマイカ、落ち着いたのかな... ジャマイカでは麻薬裏取引をしているドンのクリストファー・コークのグループと警察側が首都キングストンにて銃撃戦になり非常事態宣言まで出る羽目に。というニュースを聞いて思い出した映画がこの映画。前に観た時の印象は、白と黒という美しいコントラストの映像。ジャマイカで激しい撃ち合い... だったのだけど、ジャマイカでは撃ち合いしてなかったね。残念な私の記憶。撃ち合いをしていたのは、ジャマイカ人の麻薬ディーラーのアメリカの豪邸。惜しい。何かもっと映画の中で激しい撃ち合いしていたイメージがあったんですけどね。そんなでも無かった。という訳で、ラッパーのナズとDMXが主役で監督がミュージックビデオの巨匠ハイプ・ウィリアムス。ハイプと言えば、ミュージックビデオ界では初の有名監督じゃないでしょうか?それまではミュージックビデオの監督の名前は気にした事なかったけれど、ハイプ以降は「これはハイプか!」と思いますしね。ハイプは派手な色使いや魚眼カメラ、ブリンブリンと女性の尻振りが特徴。それで一つの時代を作りましたね。ミュージックビデオ上がりと言えば、F・ゲイリー・グレイも有名。でもF・ゲイリーは上手いこと映画監督に転進しましたねー。でもハイプはこれで見ごとに転進出来なかった... いまだ劇場用映画はこの作品のみ。でもハイプは今もミュージックビデオでは第一線。でもそのミュージックビデオの監督だというのが功を奏した部分もあり、音楽が良かった。でも使い方がイマイチで、ボソボソと話すナズの台詞に音楽が被ってしまうと何言ってるのかイマイチ分かりにくかった。DMXはあのように話すので大丈夫だけど。でもDMXのアパートは最高にカッコイイ。あれこそハイプ調映像。 ナズがストーリーを書いてハイプと別の人が脚本を手伝ってます。台詞も「太陽の輝きを誰にも止められない」なんていうこれはナズの言葉だろうなーといういい感じの台詞がありましたが、大まかな部分がつまらない。話の継ぎ方もごちゃごちゃ。色んな物を詰めすぎ。レストランでの撃ち合いや麻薬取引や裏社会についての描写は面白かったけれど、大まかなストーリーラインは薄っぺらかな。在り来たりですね。細かい所は興味深いけれど、大まかな部分が魅力に欠けました。ジャマイカから組織的に麻薬の取引をしているのを見せたのは面白いですね。まだ1998年の事ですよ。今度公開される予定の「Blood Done Sign My Name / 日本未公開 (2010)」なんていう映画の題材にまでなっている有名な活動家ベン・チャヴィスがラスト出てきてます。しかもかなりの長台詞。そこが見せ場ですかねー。ナズが演じたシンシアとDMXが演じたトミーという男の1999年の1年間を描いております。まあこういう刹那的な生き方をしている男達はたった1年で人生が劇的に変化してしまうものですね。 やっぱりDMXは堂々としていて上手いんだけど、ナズは演技まだまだですねー。メガネかけて本読む姿は似合うけど、銃もってというシーンは合ってない。TLCのT-Bozも何度か映画は出てるけど上手い訳じゃない。ナズとT-Bozが絡む所は観てられませんでしたね。DMXの彼女役も魅力的だけど、演技はイマイチ。それにしてもあの「Menace II Society / メナース II ソサエティー/ポケットいっぱいの涙 (1993)」の主役タリン・ターナーのライバルの役は最高。店先でバナナ食べてるシーンは名シーン。Gifだけど大丈夫かな?? 今観れば面白いかと思ったんだけど、やっぱりそうでもなかった。いや悪くは無いんだけど、ああいう風に立ち直っても、真面目な私はそれで??と思ってしまいますね。ナズに至っては単なる逃げでしょ??人殺してるからね、もっと反省や罪滅ぼしをしないと納得出来ませんわ。人生のセカンドチャンスには私も賛成。でもそれはちゃんと罪を償った人にあるべき物。こういう映画を「リアルだ」なんて言っている人たちにも伝わるかしら?? (0719本目) |
●● トリビア ミュージックビデオの監督して有名な、ハイプ・ウィリアムスが映画監督として乗り出した作品。原案は、ラッパーのNasで、主演も本作品で果たした。もう1人の主演には、俳優としても活躍しているDMX。共演には、TLCのT-Bozや、メソホッド・マン、「ポケット一杯の涙」のタリン・ターナー等。また活動家のベン・チャヴィスが牧師役として出演している。 また発売されたDVDやCDのジャケットが、映画の中で印象的だった「白」を使用。最近発売された特別バージョンは「黒」と、凝っている。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック 1. No Way in, No Way Out - Lady2. Devil's Pie - D'Angelo 3. Grand Finale - DMX 4. Never Dreamed You'd Leave in Summer - Jerome 5. What About - Sparkle 6. Two Sides - Hot Totti 7. Movin' Out - MYZ 8. Top Shooter - DMX 9. Story to Tell - Ja Rule 10. Crew Love - Jay-Z 11. Sometimes - Maze 12. We All Can Get It On - Drag-On 13. Militia [Remix] - Gang Starr 14. Windpipe - Ghostface Killah 15. Pre-Game - Jay-Z 16. Tommy's Theme - LOX 17. Some Niggaz - Half-A-Mill 18. I Wanna Live - Braveheart's Soundtracks from Amazon.co.jp |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0158493/http://en.wikipedia.org/wiki/Belly_%28film%29 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=321133 |
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