*(注)この作品はブラックムービーでは無いと思いますが、
ブラックムービーの歴史の中でも悲劇の歴史として重要な作品でもありますので
みなさまの参考になるように掲載しております。
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●● レビュー The Birth of Tragediesペンシルバニアのストーンマン一家が、サウスカロライナのキャメロン一家に訪れた。ストーンマン一家のフィルは、キャメロン一家のマーガレットに恋に落ち、キャメロン一家のベンはストーンマン一家のエルジーに恋に落ちた。所が、南部戦争に入り時代は変化し始めて... 映画の持つパワーを思い知らされる。ある意味怖い位に。ただ、映画の恐ろしいパワーをそのまま受け入れてしまう時は、自分が無知な時の事の方が多い。自分の頭が真っ白な為に、映画の内容を信じ込みやすい。とは言え、あまり良質でない映画だとそれらのパワーは半減するもの。この映画の怖さは、それが良質だからパワーを秘めているのだ。まずは、南部の白人達の悲劇がこれでもかという位に描かれる。誰もが同情する位に。それで、クー・クラックス・クランが登場し、全てを解決していく。誰が見てもクー・クラックス・クラン(KKK)がヒロイックな存在に見える演出。KKKの実態を知らない頭が真っ白な者には、あの行為(もしかしたら今現在までの行為)も仕方ない事に思える演出だろう。さらに怖いのが、実際にあった南北戦争、そしてリンカーンの暗殺などのエピソードを上手く取り入れているので、この映画は実際に起きた事なんじゃないか?と思わせる演出。あのような歴史(黒人が政権を握ってやりたい放題にしていた)は、無かったと記憶する。だが万が一、そのような事実があったとして、それをやり返すという意味で、KKKのような人を殺す団体があっても許されるのだろうか?それは恐ろしい事である。 事実は、この映画が公開された1915年は黒人へのリンチがピークを迎え、1915年から23年までの間には約400人が殺されたという事である(*)。 映画とは恐ろしい物である。新しい映画の誕生となったこの映画には映画の醍醐味が沢山詰まっている代わりに、悲劇も沢山詰まっている。映画のパワーとは怖い物である。要は使い方次第である。 *Toms, Coons, Mulattoes, Mammies, Bucks / Donald Bogle 「ノイズ13号/『黒人映画』とは一体何だろう」 / ジョン・G・ラッセル (Reviewed >> 07/25/07:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア トーマス・ディクソンの小説「The Cransman」の映画化。DWグリフィスが監督を担当し、初の長編となるこの映画を製作し、多くの映画技術を残した事で、映画の父と呼ばれている。その一方で、クー・クラックス・クランという集団を英雄的に描いた。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 >> National Film Preservation Board, USA1992 National Film Registry |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0004972/http://en.wikipedia.org/wiki/The_Birth_of_a_Nation http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=7799 |
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