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Cast >>Sidiki Bakaba, Hamed Camara, Philippe Chamelat, Moussa Cissoko, Ismaila Cisse, Eloi Coly ...
Director >>Ousmane Sembene, Thierno Faty Sow
Writer >>Ousmane Sembene, Thierno Faty Sow
Producer >>Mustafa Ben Jemja, Ouzid Dahmane, Mamadou Mbengue
Genre >>Drama
Country >>USA

 総合ポイント 5点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>5 演出 >>5 音楽 >>5

 レビュー
White or not, no different.
1944年、第2次世界大戦の頃、フランス軍は植民地のセネガルをはじめとする西アフリカの男性を兵士として使っていた。そんな西アフリカの兵士達が戦闘を終えて、すぐに帰還させてもらえず、セネガルのダカール近郊のチャロユの戦時捕虜キャンプで功労金の支払いを待つ事になった。しかし食べ物は粗末で、扱いも雑だった。そして肝心な功労金をフランスのフランから現地のお金に換金する時にも、フランス軍の上部は通常の半額にしようとしていた...

セネガルでは「チャロユの大虐殺」と呼ばれている悲劇の事件を、アフリカ映画の父ウスマン・センベーヌが描いた作品。センベーヌもフランス軍から徴兵され、軍人経験がある。この映画では兵士達がセネガルに戻ってきた時から刻々とそのフランス軍の酷さが語られている。センベーヌの上手さは、ディアッタというとても真面目で秀才なセネガル兵士を中心に描いた事。ディアッタという人を通して、様々なアフリカの姿が見えてくる。フランス文学からアメリカ文学まで嗜み、フランス軍の上部が英語が出来ないのに、ディアッタは流暢に話す。そしてディアッタはフランス人の白人女性と結婚しているが、叔父から自分の娘と結婚するように迫られている。そしてディアッタは間違いで、アメリカの黒人兵士から乱暴を受けるが、その後に2人が友情を育む所など、最高だ。またこのディアッタという兵士を丁寧に描いたからこそ、ラストが非常に切ない。こんな事、絶対にあってはならないのだ!と観客に強烈に訴えてきて、心に残る。

センベーヌの真骨頂。センベーヌはいつでも芸術の才能で戦う誇り高き戦士なのだ。彼の戦術はいつも緻密で正義感に溢れている。だからこそ、私達の記憶に残るのだ。
(Reviewed >> 5/30/12:DVDにて鑑賞)

 100本映画
大好きなアフリカの映画監督ウスマン・センベーヌの監督作品。同じくセネガル出身のチェルノ・ファティ・ソウと共同で指揮を執った。共同とは珍しいですよね。チェルノ・ファティ・ソウはドラマ作品というよりも、教育系の映像を沢山撮っていた人らしい。なのでチェルノ・ファティ・ソウという監督がどんな監督かは他の作品を見た事がないので分かりませんが、この作品はセンベーヌらしいと感じました。センベーヌと言えば、その物語の語り口の上手さ、そして問題提起、そして自宅には名刺代わりに「抵抗者の家」と刻んでいた程のセンベーヌの何事にも屈しない精神を強く感じる。実際にこの映画が完成した時に、内容の問題から当時のセネガル大統領は自分の金庫にこの映画のフィルムを入れてしまったと言う。

この映画の面白さは、やっぱりセンベーヌの物語を語る饒舌さにある。この映画の物語は実際にあった事件。セネガルでは「チャロユの大虐殺」と呼んでいる。第2次世界大戦中に無事に帰還した兵士達が、地元の人々からの熱烈な歓迎を受け、誇らしげに町を行進する。彼等の顔からは、やっと故郷に帰ってきたという安堵感と、地元の人々からの歓迎の嬉しさがある。しかしそれはすぐに絶望へと突き落とされる。フランス人と同じように汗を流し、血を流してきたのに、植民地ゆえの雑な扱い。敵国のドイツやイタリアの白人捕虜兵士の方がまだまともな扱いを受けている。この辺は、同じ頃のアメリカ黒人兵士と同じなのだ。映画「Red Tails / 日本未公開 (2012)」のタスキーギ・エアメン達の自伝とかにも同じ事が描かれていた。支配下にある国の為に同じように戦った国の人々から、差別を受ける。何の為に命懸けて戦っているのか...なので、この物語の中でもアメリカの黒人兵士が出てきて、セネガルの兵士と交流する場面がある。間違いがあったが、そこから心を通わせるシーンがあって、とても美しい。センベーヌの上手さは感想にも書いたが、ディアッタという人物像をきっちりと描いた所にある。部下にも優しく聡明で尊敬されるディアッタを描いた事で、ラストが切なくなる。また口のきけないペイズという兵士の悲劇もこれまたラストを切なくさせる。彼も障害を抱えながら、皆と同じく支配下にある国の為に戦い、ショックを受けたのだから。また彼はまさかフランスが攻撃してきたとは思っておらず、最後まで敵国のドイツが襲ってきたと思っている。それもまた切ない。そして戦争によって声を失った男がみんなにちゃんと伝えられない切なさもある。それ故に大きな悲劇を呼んでしまった。彼等が戦争なんかに行かなかったら...

さすがにこの映画はフランスでは上映禁止になったらしい。フランスはこの前も「Think Like A Man / 日本未公開 (2012)」を他民族性を感じないと、上映禁止にしたばかり。意外と懐は小さい。でも第2次世界大戦中には、フランスの敵国でこの映画でも敵国として描かれているイタリアのヴェネチア映画祭では5部門で受賞。ヴェネチア映画祭に招待を受けた時に、大統領は金庫からフィルムを返してくれた。

アメリカにスパイク・リーあり、アフリカにウスマン・センベーヌあり!こういう作品を見ると思いっきり心が熱くなります。だから彼等が好きなのです。

 トリビア
アフリカ映画の巨匠ウスマン・センベーヌ監督作品。監督の地元セネガルで起きた悲劇「チャロユの大虐殺」を描いている。当時のセネガルの大統領がこの映画の上映を妨げるためにフィルムを取り上げている。

 その他

 受賞歴
* Venice Film Festival
1988 Won Children and Cinema Award : Ousmane Sembene, Thierno Faty Sow
1988 Won Grand Special Jury Prize : Ousmane Sembene, Thierno Faty Sow
1988 Won New Cinema Award : Ousmane Sembene, Thierno Faty Sow
1988 Won Sergio Trasatti Award - Special Mention : Ousmane Sembene, Thierno Faty Sow
1988 Won Special Golden Ciak : Ousmane Sembene, Thierno Faty Sow

 サウンドトラック


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http://www.imdb.com/title/tt0092716/
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Last Modified: 2012-06-01
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