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●● レビュー "Gave their biggest boogeyman a name"プロのフットボールの殿堂を果たした元NFL選手マイク・ウェブスター(デビット・モース)がスピーチをしていた。しかしその後のウェブスターはトラブル続きで車でホームレス生活をしており、所属していたピッツバーグ・スティーラーズの専門医ベイレス医師(アダム・ボールドウィン)の世話にもなっていた。一方同じピッツバーグで死体解剖医をしているナイジェリアからの移民ベネット・オマル医師(ウィル・スミス)が居た。同僚と衝突して嫌われていたが、上司のシリル・ウチェット(アルバート・ブルックス)からは信頼されていた。ある時、オマル医師の元に運ばれてきた死体がマイク・ウェブスターだった。街のスーパースターであるウェブスターの死亡解剖を同僚は反対するが、逆にウェブスターの名誉回復の為にもとオマル医師は死亡解剖を強行した。そして脳の診査を進めていくと... アメリカでのフットボールの人気は日本人が考えている以上に偉大だ。日本のサッカーや野球の人気とは比べ物にはならない。特に長年NFLチームや大学チームが最強だった街ほど、その人気はさらに膨れ上がる。それ故に影も非常に深い。映画でも何度もその栄光と影が描かれてきた。今回もその陰に焦点を当てられ描かれた。誤解が無いように先に書いておく。私はフットボールが大好きだ。アメリカに来てその面白さを知らされ夢中になっている。何よりも屈強な男が針の穴を通す糸のように、さらに屈強な男たちを倒してガツガツと走っていく様は美しいとすら思う。しかし、それ故に危険も伴う。彼らは分かっている。怪我をしてしまうのも覚悟している。しかしさすがにそれがトラウマになって自殺を引き起こすとは思ってもいなかった。それをリーグは助けるどころか、隠蔽しようとした。彼らはそんな選手のお陰で富を得たのに。と、ファンですら感傷的にさせてしまうような物語にしている。これは上手い。主演のウィル・スミスの嫁がこの映画でウィルがオスカーにノミネートされなかった事で怒ってボイコット!と言い、世間を騒がせたが、その気持ちが改めて分かった。この映画のウィル・スミスはいつものように軽口で笑わせないし、カッコ良くも走らない。でもとても美しい。演じたオマル医師がそうだったように、ウィル・スミスもこの役を信じて、NFLが世間には出して欲しくないであろう物語を語ったのである。アルバート・ブルックスやデビット・モースにアダム・ボールドウィンですら素晴らしい演技を見せていた。みな同じ思いだったのだろう。 実際の医師もこの映画に携わった人々も...こういう人たちのお陰でよりフットボールは美しくなっていく。そう願い、そう信じたい。 (Reviewed >> 3/30/16:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 ウィル・スミス主演なのに興行成績でコケ、そしてアカデミー賞にノミネートか?と言われていたのにされなかった事で嫁のジェイダ・ピンケット=スミスが怒ってボイコット!となった曰くつきの作品。ピッツバーグで死亡解剖をしているナイジェリアからの移民であるオマル医師(ウィル・スミス)。そのオマル医師の元に運ばれてきた死体が元NFL選手でスーパースターのマイク・ウェブスターだった。解剖していくうちに、彼の脳には問題があった事が分かる。そしてまた一人元NFL選手が自殺し、やはり脳に問題があった事が分かる。しかしNFL側は試合で負った脳のダメージを真っ向から否定し... と、NFLを敵に回した事もあり、興行成績に響いたとも言われている。ウィル・スミスが、ナイジェリアから来た移民医師を好演。アメリカ人になる事...というのを上手く表現している。NFLファンにこそ見てもらいたい作品。(1459本目) |
●● トリビア ウィル・スミスがNFLでの脳震盪の危険性を訴えるナイジェリア出身の医者を演じるドラマ作品。リドリー・スコットが制作。雑誌「GQ」誌での「Game Plan」という記事が元となっている。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 * 別冊映画秘宝2016年版 この映画を見逃すな!にて本作品について寄稿。(11/21/16) |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt3322364/https://en.wikipedia.org/wiki/Concussion_(2015_film) http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=357912 |
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