|
●● レビュー the chemistry of natureパリの貴族階級で億万長者のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、首から下が動かせない体の不自由な中年男性だった。世話する人もフィリップの気難しさもあって、すぐに辞めてしまう。新しく面接に来たのがドリス(オマール・シー)だった。彼は仕事には興味がなく、失業保険の書類にサインしてもらうだけの為に来た。しかし、フィリップはそんなドリスを採用してしまう。嫌がるドリスだったが、フィリップとの賭けと、家から追い出されたのもあって、引き受ける事になった。そんなふたりが生活を始めるが... 本国フランスでは記録的なヒットとなった作品。オマール・シーがセザール賞や東京国際映画祭で主演男優賞に輝いた。健常者は、体の不自由な人達に対して、どう接するのが良いのか?正直、これに正解はないと思う。フィリップみたいに、同等に扱われたい人もいれば、そうじゃない人も居ると思う。日本で電車に乗ると、お年寄りに席を譲るんだけど、極端に嫌がる人も居る。 オマール・シーの明るさと、顔と台詞でしか演技が出来ないフランソワ・クリュゼの対照的な演技が見もの。物語はハリウッドでも昔からあるので、ちょっと残念。 フィリップとドリスの関係は、一種の化学反応だ。どうなるか分からないなら、試してみる他ない。それで上手くいったのが、ドリスとフィリップ。人の関係とは、そういうものかもしれない。 (Reviewed >> 3/6/13:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 フランスで記録的なヒットとなった作品。東京国際映画祭で東京サクラグランプリや最優秀男優賞を取ったのを皮切りに、色々な映画祭でも話題。本国フランスのアカデミー賞的なセザール賞や、先日は日本のアカデミー賞でも外国語部門を受賞した。日本、どんだけこの映画好きなのよ!ってな訳ですよ。でもそうなると、アメリカでは中々観られないよねー。日本の方が、アメリカ以外の映画を観る環境は優れているよね。移民の国なのに、映画だけは世界観狭っ!まー、一般人のアメリカ人って、字幕苦手。やっとDVDになったよ。ヒップホップ好きの私が、これ見て思い出したのが「Disorderlies / ファット・ボーイズの突撃ヘルパー (1987)」!!つーか、まんま同じじゃないかー!!体が不自由で動けない男性が、黒人の青年(達)との交流を描いている。しかも動けない男性が大富豪で、黒人青年が貧しいっていう設定まで同じ!しかも黒人青年が、無神経で無茶する系まで同じ。リメイクなん?と思ったけれど、さすがにこのファット・ボーイズの映画をメンションする人は誰も居ない。お互いの世界を行き来して、お互いが開眼するのも同じなんだけどねー。というか、そのファット・ボーイズの映画で大富豪を演じていたお爺さんラルフ・べラミーと言えば「Trading Places / 大逆転 (1983)」も、この映画と同じく階級が入れ替わって開眼するよね。 でもこの映画の上手さは冒頭かな?説明も何も無く、いきなりオマール・シーが演じているドリスが超良い車に乗っていて、中年白人フィリップを乗せて、物凄いスピードで走っている。警官にもちろん捕まるけど、フィリップと共謀で難なく警官クリア。しかもそのフィリップは車椅子だという事も分かる。ERに行くのに楽しそうだなって思っていたら、去って行く。何なの?と思っている所から、物語が戻って始まる。で、また最後、このシーンに戻る。なるほどー!!上手い!起承転結で言えば、この映画は転起承転結で描かれている。あのシーンはドリスとフィリップが既に固く結ばれていた後だったっていうのが分かった時に、ウォーってなったね。 まあ、オマール・シーとフランソワ・クリュゼが素晴らしい!本当にタイトル通りに最強のふたり。ドリスは人たらしよね。それこそタイトルのIntouchable(英語ではアンタッチャブル)のザキヤマぽい。超てきとーで人の懐にぐいぐい来る。フィリップの足にお湯掛けるシーンは、ザキヤマがロンハーでカンニング竹山の髪の毛を濡らしている姿と同じだね。悪気が無くて、ケラケラ笑ってる。そしてフィリップにはもちろん、フィリップの娘やイヴォンヌとかとも仲良くなってるし。フィリップの娘のモップ頭の彼氏に会いに行くシーンとか面白い。 そしてアース・ウィンド・アンド・ファイアーとクール・アンド・ザ・ギャング好きのドリスが、自分の世界に戻った後に、ドクター・ドレのヘッドフォンBeatsでクラシック聴いているシーンも好き。 体の不自由な人も、人それぞれで色んな人が色んな意見を持っていると思う。健常者がどう彼等に接するか?という事で、正解はないと思う。この2人はたまたまその価値観が一致したんでしょうね。 とは言え、この元となった実在の話は、ドリスはアフリカからの移民じゃなくて中東系の移民なんだよね。それがアフリカ系となったのは、アフリカ系のゲトーの方が描きやすいっていう事なのかしら?元々のフランスの階級社会では、アフリカ系との差が明らかに違うから??中東はそうでもないの??というのが、頭でちょっと邪魔したね。そこの部分がこの映画での一番のアンタッチャブルな部分だったりして? (1094本目) |
●● トリビア 地元フランスの権威あるセザール賞等に輝いている作品。東京国際映画祭でも東京サクラグランプリや最優秀男優賞にも輝いている。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 * The BEST OF SOUL2012 Won Best Movie of the Year (Comedy/Musical) * Cesar Awards, France 2012 Won Best Actor : Omar Sy 2012 Nominated Best Actor : Francois Cluzet 2012 Nominated Best Cinematography : Mathieu Vadepied 2012 Nominated Best Director 2012 Nominated Best Editing 2012 Nominated Best Film 2012 Nominated Best Original Screenplay 2012 Nominated Best Sound 2012 Nominated Best Supporting Actress * Tokyo International Film Festival 2011 Won Best Actor Award : Omar Sy, Francois Cluzet 2011 Won Tokyo Grand Prix Eric Toledano : Olivier Nakache * Etoiles d'Or 2012 Won Étoile d'Or Best Male Newcomer : Omar Sy |
●● サウンドトラック 1.Ludovico Einaudi – "Fly"2.Earth, Wind & Fire – "September" 3.Omar Sy, Francois Cluzet & Audrey Fleurot – "Des references..." 4.Ludovico Einaudi – "Writing Poems" 5.George Benson – "The Ghetto" 6.Omar Sy & Francois Cluzet – "L'arbre qui chante" 7.Terry Callier – "You're Goin' Miss Your Candyman" 8.Francois Cluzet & Omar Sy – "Blind Test" 9.Earth, Wind & Fire with The Emotions – "Boogie Wonderland" 10.Ludovico Einaudi – "L'origine nascosta" 11.Nina Simone – "Feeling Good" 12.Ludovico Einaudi – "Cache-cache" 13.Angelicum De Milan – "Vivaldi: Concerto pour 2 violons & Orchestra" 14.Ludovico Einaudi – "Una mattina" 15.Vib Gyor – "Red Lights" Soundtracks from Amazon.co.jp |
●● 関連記事 |
|
●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt1675434/http://en.wikipedia.org/wiki/The_Intouchables http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=341701 |
|
|