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Cast >>Mildred Loving, Richard Loving, Bernard S. Cohen, Philip J. Hirschkop ...
Director >>Nancy Buirski
Writer >>Nancy Buirski, Susie Ruth Powell
Producer >>Nancy Buirski, Elisabeth Haviland James
Genre >>Documentary
Country >>USA

 総合ポイント 4.5点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>N/A 演出 >>4 音楽 >>4

 レビュー
Almighty God created the races white, black, yellow, malay and red, and he placed them on separate continents.
1958年、アメリカの幾つかの州では、違う人種同士が結婚する事が許されていなかった。その一つの州ヴァージニアで生まれ育ったリチャード・ラヴィングとミルドレッド・ラヴィングの2人は愛し合っていた。2人は仕方なくワシントンDCにて結婚して、ヴァージニアに戻ってきた。しかしある夜、法を犯したと逮捕されてしまう。それから9年間2人は試行錯誤して、1964年に法と戦う事となったが...

以前にはドラマTV映画化「Mr. and Mrs. Loving / 日本未公開 (1996) (TV) 」もされているリチャード&ミルドレッド・ラヴィング夫妻の戦い。今回はドキュメンタリー映画となった。2人の写真や実際の映像、そして弁護をした弁護士達の証言や友人や家族の証言が語られている。以前のドラマ化された作品はかなりロマンチックに作られていたが、今回は率直だ。とてもローキーだ。映画の作りもローキーだが、リチャードとミルドレッドの性格もローキーなのが分かる。リチャードもミルドレッドも「法律を変えてやるぞ!」という熱血漢では全くない。控えめだ。弁護した弁護士も「リチャードは普通のレッドネックだ」という位、本当に普通。映画で観るような嘘ぽい愛情たっぷりな夫という印象はまるで無い。ミルドレッドも「彼は一見横柄に見えますよね」と認めている。でも法廷に行く際に2人が手をずっと繋いでいたのが印象的。ミルドレッドも本当に控えめ。2人は多くを語らない。だから法的な手続きをするのに5年も掛かったのが理解出来る。でも2人は「ただ一緒に故郷ヴァージニアで住みたい」という事が一致していた。

奇しくも彼等の名は「ラヴィング」...愛情を示すという意味。愛とは何か、結婚とは何か、まさしく愛は全てを征服するのだ!!
(Reviewed >> 6/5/13:DVDにて鑑賞)

 100本映画
白人男性と黒人女性はティーンの頃から知り合いで、女性が18歳の時に妊娠し結婚した。でもそれは彼等が生まれ育ったヴァージニア州では違法だった。彼等の結婚は、アメリカの憲法を変える事になったのだった。

彼等とはリチャード&ミルドレッド・ラヴィング夫妻。彼等の物語は、ドラマ化され以前にはTV映画「Mr. and Mrs. Loving / 日本未公開 (1996) (TV)」にもなっている程。彼等の名前がいいよね。「Loving」。そんな彼等の名前を取って異人種カップルが、この判決が出た6月12日を「ラヴィング・デイ」として祝っている。国の正式な祝日とかではないけれど、あと2日後。正直に書くと、というか、ナイーブではない私は分かっている。私と夫のような黒人xアジア人カップルにとっては、この裁判はあんまり関係ない。当時のヴァージニア州にとって、黒人とアジア人が結婚しようとどうでもいいのだ!ご勝手に!なのだ。白人人種の純血を守りたいが為の法律。なので白人xアジア人カップルにとっては、感謝しないといけない出来事。

今回はその記録映画。ヴァージニアでは結婚出来ないので、彼等は1958年にワシントンDCにて結婚した。そしてヴァージニアに戻ってきて、夜中に寝ていたベッドで逮捕される。これ、なんで夜中だったかというと、彼等がセックスしている最中を狙ったらしい。そうすれば、そっちでも罪になるので、2重の罪で裁けるだろうという、シェリフの汚いやり方だった。でも実際には2人はベッドで寝ていただけ。シェリフは寝ていたリチャードに「隣にいる女は誰だ」と尋問する。リチャードは答えなかったが、ミルドレッドが壁にかけてある結婚証明書を指差しながら「私は彼の妻です」と答えた。シェリフは「そんなものはここ(ヴァージニア)では通用しない」と答え、2人は逮捕。リチャードは一晩を留置所で過ごす。まだ妊娠中だったミルドレッドは、リチャードよりも多く数日間留置所で過ごした。ミルドレッドは1年の刑期を言い渡されたが、その代わりにヴァージニアを去り、25年間は戻ってこないという罰を受け入れた。その時の判事は「全能な神は、白人、黒人、黄色人種、マライ人、北米先住民(レッドと言っている)という人種を作り上げ、神は彼等を別々の大陸に置いたのだ。その神の配列を妨害した結婚などありえない。(神が)人種を別々に配置したという事実から、神は人種が交えるつもりは無かった」とスピーチしている。リチャードとミルドレッドはその判決を受け入れ、結婚したワシントンDCで暮らすようになる。家族も友だちも知り合いも誰もいないワシントンDC。リチャードはDCでは上手くいかず、ヴァージニアに戻り仕事をしていたりもした。2人は別々にヴァージニアとワシントンDCを行ったりきたりする。時にはトランクに隠れてヴァージニアに忍び込んだ事もある。家族同士が仲良く絆のあった彼等は、ヴァージニアへの思いが強くなる。

時代は1964年。公民権運動の真っ最中。ミルドレッドは、ロバート・ケネディに1通の手紙を書く。それがロバート・ケネディの目に留まり、ACLU(アメリカ自由人権協会)に協力を依頼する。そこで若い弁護士バーナード・S・コーエンとフィリップ・J・ハーシュコップの2人が担当する事になった。連邦最高裁判所に掛け合うも、まずはヴァージニアの最高裁判所からと言われる。そこで拒否されたら、連邦での裁判を約束すると言われる。案の定、ヴァージニアの最高裁判所は拒否。1967年4月10日に口頭弁論が始まった。そして同じ年の6月12日に満場一致で「結婚は基本的な人の公民権の一つであり、我々の在り方と生命の原理である」と、ラヴィング夫妻の訴えを受け入れた。

と、物凄く熱い記録映画に思えるかもしれない。ラヴィング夫妻は熱血漢に思えるかもしれない。でも実際は違う。結婚してから裁判を起こすまでに、5年も掛けている。これにはさすがの弁護士も困ったらしい。ラヴィング夫妻は2人ともに無口とも取れる。余り多くを語らない。しゃべる時にも実に言葉少なめで、声も小さい。2人は公民権運動家という名前にはふさわしくはない。多分2人共にそう呼ばれたくないと思う。ドラマ化された作品では2人共にとてもロマンチックで熱かった。そのドラマを見たミルドレッドは「実際には全く違うわ。あの映画と同じなのは子供の数だけ」と酷評するほど。それを受けてか、この記録映画は実にローキーで作られている。暗すぎると思うほどに暗い。でも、途中にKKKのスピーチをはさんでみたり、白人女性が異人種結婚について憎悪を露にするコメントを挟んでみたりして、パワーのある作品にしている。2人の娘ペギーが当時を語ったり、リチャードのお母さんがコメントしている映像もあって興味深い。リチャードのお母さんはとても神経質そうな難しそうな女性に見えたが、2人を見守るスタンスのコメントをしていたのが印象的だった。そして当時弁護を担当した弁護士2人共がカメラの前で語っている。その一人ハーシュコップがリチャードの事を「横柄に見えて、完全なるレッドネックに見えた」と語っている。ミルドレッドも「彼は横柄に見えちゃうんですよね。でもとっても優しいんですよ」と答えている。そのリチャードは口頭弁論が始まる前、弁護士に「裁判で伝えて欲しい。私は妻を愛していると。その妻とヴァージニアで一緒に住めないのはフェアじゃないと」と話した。2人は法律や時代を変えようと思ってやってはいなかった。愛する人と、ただ一緒に住みたかっただけなのだ。

 トリビア
まだ異人種結婚が許されていなかった時代に立ち向かった夫婦ラヴィングについてのドキュメンタリー。彼等の功績を称え、非公式ながら6月12日は「ラビング・デイ」として、インターレイシャル・カップル達が祝う日でもある。
HBOが2012年のヴァレンタインデーに放送する。

 その他

 受賞歴

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Last Modified: 2012-02-05
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