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●● レビュー "We've got a seven"炭鉱の町ローズ・クリークでは、ボーグ(ピーター・サースガード)という男が町人たちを奴隷のように扱い制覇していた。反抗した人々には容赦なく命まで奪った。夫を亡くし絶望的になった未亡人エマ(ヘイリー・ベネット)とテディQ(ルーク・グライムス)は別の町に出かけた。2人は酒場で一瞬にしてお尋ね者たちを仕留めたサム・チザム(デンゼル・ワシントン)を見つけた。チザムはカンザス州の准士官で逃亡者を追う役目を担っていた。エマとテディQの話を聞いて、ローズ・クリークに向かう事にしたチザム。腕利きを集めたら銃の早打ちジョシュ(クリス・プラット)、旧知で戦争のヒーローだったグッドナイト(イーサン・ホーク)、その仲間でナイフの達人ビリー(イ・ビョンホン)、メキシコからの流れ者ヴァスケス(マヌエル・ガルシア=ルルフォ)、伝説の腕利きジャック(ヴィンセント・ドノフリオ)、そしてネイティブの若者レッド・ハーベスト(マーティン・センスメイアー)の七人が集まり、死闘が始まる... あの名曲が生まれた『荒野の七人』のリメイク。なのだが、西部劇の良い所どりリメイクと言った方がより近いと思う。デンゼル・ワシントンが演じたチザムはジョン・ウェイン映画『チザム』から取ったらしいし、内容も割りと掠っている。クリス・プラットが演じたジョシュは、オリジナルのスティーブ・マックイーンが演じた役、さらにそのオリジナルの『七人の侍』で三船敏郎が演じた役となりそうだが、どうやら三船敏郎の方が近いと感じた。『荒野の七人』で一番好きだったチャールズ・ブロンソンが演じたキャラクターは見当たらなかったように思える。今を反映していて、七人の中に黒人やアジア系やネイティブがいて、しかもほぼ人種など関係なく優秀だからその中にいるという雰囲気はとても最高な事だと感じた。 西部劇の良い所どりをしているので、2時間超えてもアッという間に時は過ぎていく。そしてオリジナルの『七人の侍』や『荒野の七人』よりも笑える台詞や場面は多い。だけどそのオリジナルたちにはあったカッコ良すぎでシビレる台詞っていうのが皆無で、それがとても残念。そしてローズ・クリークにあるのが「エリシウム・ホテル」。辞書によるとエリシウムは、「善人が死後に住む至福の地」らしい。彼らにとってローズ・クリークはエリシウムなのか?西部劇らしい哀愁はあったのか?になるだろう。 (Reviewed >> 9/25/16:劇場にて鑑賞) |
●● 100本映画 デンゼル・ワシントン初のウェスタン!!!🐎🐎いえーす!そうか、意外に無かったんですね、この組み合わせ。しかも日本映画の名作中の名作『七人の侍』をリメイクしたウェスタン名作『荒野の七人』のリメイク!『荒野の七人』といえば、てぃてててーてててれてー??(違う気がするけど、察してください)の名曲ですよね。あの曲が流れると、マールボロが、いや違う、馬に乗った事がない私でも馬に乗りたくなっちゃうってものですよ。🐎という事で、デンゼル様が馬に乗ってしまっているのですよ。もうこれは、そのまま白馬に乗った王子様がぁああああ!!とテンション上がりますね。でも白馬じゃなくて、黒馬。こだわりですよ。デンゼルが演じた役は『荒野の七人』ではユル・ブリンナーが演じたリーダー役。ブリンナーがそうであったように、デンゼルも全身黒のカーボーイスタイルで決めております。しかもモミアゲの剃り方が滅茶苦茶ステキ。口ひげも濃い目。もうビジュアル的にも最高なんですよね。なんでウェスタンとデンゼルって組み合わせ、今までなかったんだろう!と思ったほど。今回、デンゼルが演じたサム・チザムは、カンザス州ウィチタにてお尋ね者を探す政府系の仕事をしているのだ!で、ここで私は気になった。その時代背景に。この映画は1879年が舞台。1879年と言えば、アメリカでは重要になる。あの南北戦争直後という事になるのだ。そんな南北戦争後に黒人が政府系の仕事を?と思うかもしれないが、カンザス州は北軍側として戦った州なのだ。昔から奴隷を禁止していた。しかし、場所柄、南部の州が隣や下にあったりと、戦いも激戦していた。戦いを志願したカンザス州の黒人も少なくない。映画『Glory / グローリー (1989)』では、マサチューセッツ州の部隊が黒人初の部隊として描かれていたが、実際にはカンザス州の部隊が先なのです。なんていうのを頭に入れておくと、デンゼル・ワシントンが演じたサム・チザムがとても面白くなる筈。イーサン・ホークと旧知であり(この設定は『Training Day / トレーニング デイ (2001)』を匂わす面白い設定だ!)、戦争の時の事を話していたりするので、サム・チザムは恐らくそのカンザスの黒人部隊に居たのかもしれない...なんて思う訳です。って、もちろん映画ではそこまでは描かれていないので、知識だけで想像を膨らましてしまうのです。っていう設定の上手さがこの映画にはあるかな、と。と、まあデンゼルが演じた役だけ取り上げてもこれだけ面白い訳です。いやー、デンゼルが、というか黒人俳優が演じたからこそ、ここまで物語が膨らませられる訳でもあります。ネイティブ・アメリカンのレッド・ハーベストが心を開いた理由も、やはりデンゼルでしたしね。黒人がネイティブと仲が良いのは黒人にとってのあるある。髪の毛がある程度伸ばせる人は、絶対に「祖先にネイティブの血が入っているから」って絶対に言います。そうじゃなくても、「祖先にネイティブの血が入っている」と言いますよ。知り合いに居たら聞いてみてね!90%の確率で言いますから!!!デンゼルとレッド・ハーベストのシーンは最高ですよ!面白いんです。 そしてイ・ビョンホンが演じたビリーですよね。映画での設定がイ・ビョンホンの韓国人なのか、それとも中国人なのか明らかにされていなかった。上海で出会った的な事を確か冗談でサム・チザムが語っていたような... でも、アメリカの鉄道拡大の時の労働力になったのは、黒人と中国人なんだよね。その辺をイ・ビョンホンで描きたかったのかな?と。台詞でも鉄道の事が出てきたし。 と、歴史背景を知ると面白いと思います。でも、点数低いじゃないかー!とお思いでしょう。3.5点。中の中ですね。上手くリメイクしたなっていう感じはとても受けたんだけど、オリジナル2作の好きな部分が無かったっていうのが大きいかなー。シビレる台詞に、ナイフの人がそれでも最後に投げる所とか、強面なのに子供好きキャラで最後に子供たちを叱咤してリスペクトされる所とか、女性が惚れちゃう所とか、三船敏郎に漂う哀愁とか、ウェスタンお得意のオープニングの雄大なワイドショットとか、その他もろもろ。あ、でも、劇中でラップを使わなかったのは評価する!!!それにしても、クリス・プラットが美味しい所を独り占めした感がある。今までの『七人』の良い所を全て凝縮した感ある!!!ズルいレベル。 (1498本目) |
●● トリビア 黒沢明監督の『七人の侍』をベースにした西部劇『荒野の七人』のリメイクを、『トレーニング・デイ』のアントワン・ファクア監督がリメイク。主役にはデンゼル・ワシントン。共演にクリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオ など多彩なキャスティング。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt2404435/https://en.wikipedia.org/wiki/The_Magnificent_Seven_(2016_film) http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=357279 |
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