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●● レビュー "They are People!"若い男女が車に乗って、南部へと向かっていた。しかしミシシッピを車が過ぎた時に、彼等は町の人たちから目立ってしまっていた。彼等は黒人と白人の混合なのに、コンバーチブルに乗っていたからだった。しかも彼等は黒人に投票を促す若き運動家達だったのだ!シェリフは彼等を阻止しようと躍起になり... なんと公民権運動を題材にしたエクスプロイテーション映画なのである!しかも、公民権運動が真っ只中に行われており、この映画の舞台となったミシシッピでは若い運動家3人がリンチの末に殺されたばかりなのである。その事件が起きたのが1965年の6月。この映画が公開されたのが同年の10月。しかし公民権運動を訴える映画ではなく、白人の若い女性が「黒人好き」とのレッテルを貼られ、白人の田舎者に監禁されたり、その女性が黒人の活動家から助けられ2人で逃亡する末に感情が芽生えてキスするも、白人達に引き裂かれるという部分が強くて、それがメインで作られているエクスプロイテーションなのだ。しかも白人女性にキスした黒人男性の末が悲しく切ない。 公民権運動すらエクスプロイテーションにしてしまうハリウッドの強欲さもびっくりだが、ニュース以外で公民権運動中の真っ只中にそのような殺しが行われていた事を伝えているのは興味深い。 (Reviewed >> 10/5/12:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 この前の「This Rebel Breed / 暴走する反抗族 (1960)」と一緒にDVDに収録されている作品。公民権運動を舞台にした作品。しかも制作が1965年。ちょうど、公民権運動真っ只中!しかも1965年という年はやたらと血生臭い年でもある。「血の日曜日事件」と呼ばれているアラバマ州セルマでの行進中での攻撃や、ミシシッピーでは3人の若い運動家が殺された。この映画ではそのミシシッピーにバージニアから向かうのが、若い黒人と白人の活動家達。彼等はやはり実際の3人の若い活動家達のように、ミシシッピーの黒人住民に投票登録を促す運動の為にミシシッピーにやってきたのです。所が、そんな若い混合集団は、ミシシッピーでは目立ってしまう。すぐにシェリフがやってきて、彼等を捕まえる。シェリフは「この町は平和なバプティストの町なんだ!」と、そんな事をして事を荒立てるなと怒る。そういう仕打ちをされても、怒るなと活動家達は訓練されている。と、割りと実際の公民権運動と全く同じなのです。でも、この映画は真面目に公民権運動を支持する映画という訳ではなく、完全なるエクスプロイテーション作品。若い白人の女の子キャロルが襲われて、胸元が開けるのが目的。差別言葉もかなり使われている。しかもキャロルはシェリフの仲間に監禁されてしまう。キャロルの兄は有名な俳優なので、身代金を払うと言う。まあこの兄貴がこれまた最低な男だったりするんですわ。女には目がない。なので、シェリフが送りこんだ女とも「さすが南部的なおもてなしですね」と、喜んでしまう。そんな事しているので、黒人の活動家がキャロルが監禁されているのを発見して、救出。2人は逃げているうちに、少し感情が芽生えてしまい... まあここからが凄いです。さすがのエクスプロイテーション映画!という展開。シェリフや町の白人は、キャロルがその黒人とキスしようとしているのを発見してしまい、黒人は大事な所を切られてしまうのですよ!ってこれが結末かと思ったら、結末は法廷シーン。これまた凄い差別的な女性が出てきます。最後はね、なぜかリンドン・ジョンソンのスピーチで締めくくり。せめてそこはキング牧師とかさ...って思いました。 やっぱり黒人と絡む白人女性は可哀想で不幸的な思想が見え隠れしちゃうんだよねー。 ちなみにこの映画と同タイトルの「Murder in Mississippi / マーダー・イン・ミシシッピ/炎の十字架 (1999) (TV)」は、この映画と同じ年1965年に起きたミシシッピーで3人の活動家が殺された事件を描いた真面目な映画。歴史とほぼ当時に作られた事は評価するけど、映画自体はそんなに評価できない不思議な作品でありました。 (1038本目) |
●● トリビア 公民権運動のまっ最中に作られたインディペンデンスのドラマ。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0059485/Not available from Wikipedia Not available from Allcinema |
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