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●● レビュー Express yourselfアメリカ・ロサンジェルスのコンプトンで80年代後半に結成されたN.W.A。彼等が駆け抜けていったラップシーンを追う。 今でも鮮明に覚えている。彼等はマスコミによって「もっとも危険なグループ」というレッテルを貼られていた事を。日本でも同じように彼等は扱いにくい「ギャングスタ」グループとして紹介されていたように思う。 今回のドキュメンタリーは扱いにくい「ギャングスタ」というよりも、コンプトンという所に閉じ込められていた若者達が自由に表現する姿が見れたと思う。まさに彼等のファーストアルバム「Straight Outta Compton」そのもの。N.W.Aは常にLAの代表的なラッパーとして知られていたけれど、その後の影響を考えると彼等はLAの若者だけのものじゃなかったと思う。マティ・リッチの「Straight Out of Brooklyn」もやっぱりタイトルといい影響を受けているように思える。どうしてそんなに若者に影響を与えたか... それは常に自分自身を曲に反映したからだと思う。そして今回のこの作品では、ロドニー・キング暴行が発端のLA暴動も、事前にラップではその緊張感が既にあったのに、それを行政側は無視していたという見解も面白かった。 こんなN.W.Aを見た事がなかった。でもこれも彼等の一部であり、歴史である。彼等は自由に表現したからこそ、歴史に残ったのだ。 (Reviewed >> 10/03/2008:TV放映にて鑑賞) |
●● 100本映画 VH1は来週早々に「Hip Hop Honors」という番組があるので、近頃ずっとヒップホップについての番組が多い。お陰で昨日は一日「The 100 Greatest Hip Hop Songs」と言う番組を夫とあーでもないこうでもないと言いながら見てしまいました。その直後にプレミアされたのが、このN.W.Aのドキュメンタリーです。N.W.Aと言えば、ギャングスタラップとレッテルを貼られてました。彼等の出現によってラップがよりバイオレントになったと... 日本の音楽ライターでも彼等の事が嫌いな人が居て、目茶目茶に書かれてましたっけ。このドキュメンタリーでは、深いところまで抉ってます。N.W.Aというグループを探るだけで、ロサンジェルスの歴史が見えてくる...アメリカの若者の姿が見えてくる。ロサンジェルスと言えば、やはり90年代のロドニー・キング事件とLA暴動とは切り離せないし、未だに脳裏にしっかりと焼きついている。USC(南カリフォルニア大学)の教授であるトッド・ボイドは「あの暴動が起こる前に、N.W.A等のロサンジェルスのラッパー達は人種間にある緊張感や警官との間にある緊張感を表現していたんだ。」と言う。確かにそれを「Parental Advisory」等で、それを聞くのを拒んだ結果なのかもしれない。彼等は若者の代弁者とかストリートの代弁者とかいうよりも、ただ普通に自分達の周りにある事を表現していたと思う。FBIからの手紙やMTVでの放送禁止決定とかで、彼等の存在を封じ込めようとしていたけれど、彼等の存在を別の形で生かせたかもしれないとも思った。 そしてEasy Eは人生を駆け抜けてしまった感じがした。やり方はまずいが、れっきとしたビジネスマン。自分でレコードレーベルを設立しちゃう辺りのバイタリティは凄い。エイズもあっという間に進行してしまったんですね。気づいてから10日で亡くなるなんて早すぎる。やっぱり人って自分の最期が分かるのかな??あんなに酷い別れ方をしたN.W.Aなのに、Easy Eは再結成をしたがっていたらしい。アイス・キューブに会うと、その話ばかりをしていたそうだ。なんか切なくなる。 <ビデオ映像URL喪失> このビデオを見ると政治的で凄い。 (0068本目) |
●● トリビア テレビ局VH1が製作したN.W.Aのドキュメンタリー。2008年10月3日プレミア。アイス・キューブやドクター・ドレ等が当時を振り返ってインタビューにも答えている。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 * The BEST OF SOUL2008 Won Best Movie of the Year (Documentary) |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト https://www.imdb.com/title/tt1327746/Not available from Wikipedia Not available from Allcinema |
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