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●● レビュー "Out there, there ain't no black and white, there's only fast and slow."ジェシー・オーウェンス(ステファン・ジェームス)は、オハイオ州立大に進む為に家を出るところであった。世界大恐慌の煽りで、ジェシーの家も大変だったが、母が教会用ぽくはあるが、精いっぱいの一張羅を用意してくれた。旅立つ前に美容院へ寄るジェシー。そこには彼女のルース(シャニース・バントン)が働いており、まだ赤ちゃんである自分の娘もそこで遊んでいた。デイブ(イーライ・ゴリー)と共にオハイオ州立大に向かう。待っていたのは、ラリー・スナイダー(ジェイソン・サダイキス)コーチであった。スナイダーはジェシーを1936年のベルリン・オリンピックに送るので、厳しい練習についてこいと言う。しかしナチ国家のベルリン・オリンピックを、アメリカはボイコットするかどうかで揺れていた... 1936年のベルリン・オリンピックにて4冠という偉業を達成したジェシー・オーウェンス。オリンピックという大舞台で4冠するだけでも凄い事なのに、ナチ国家で人々をガチガチにコントロールし、黒人とユダヤ人なんか!と言っていたヒットラーの目の前での4冠という偉業...いや偉業という言葉よりも更に凄い言葉はないのか?と思う程のド偉い事をやってのけたジェシー・オーウェンスの伝記映画。そのジェシーだって多いに悩み苦しんだ。そんな様子がよく描写されている。なんといってもオリンピックを再現したシーンが素晴らしい。フィールドに入ってくるときのジェシーのシルエット、そして巨大なツェッペリンに観客の数...鳥肌が立つ。そして怪我をしていたのに、世界記録を出したりした逸話も面白い。ハニートラップに引っかかったジェシーも人間的で魅力的だ。主役のステファン・ジェームスは本当に魅力的にジェシーを演じきっている。 たまにジェシー・オーウェンスの伝記というより、スナイダーコーチの助けが比重を占めてしまう時があり、そこは白人監督による黒人伝記映画にありがちだなって思ってしまう部分はある。しかしラストが素晴らしい。オリンピックで前代未聞の4冠を達成しても尚... ジェシー・オーウェンスとアメリカは如何にしてナチと戦い勝ったのか?ジェシーは国内の人種差別にナチにそしてオリンピックと3つのレースを同時に走った。ナチとオリンピックでは勝てたが、国内の人種差別はどうしても勝てなかった。そこがとても切なくて考えさせられる。 (Reviewed >> 2/19/16:劇場にて鑑賞) |
●● 100本映画 前にコンプトンなどのLA紹介した時には書かなかったんだけど、ウエスタン通りという大通りをハリウッドに向かって北上していくと、イングルウッド辺りで「ジェシー・オーウェンス公園」が姿を現す。あまり大きい公園ではないけれど、「おー!ジェシー・オーウェンスの名前がついた公園があるんだ!」と感動したのは覚えている。という訳で、イングルウッド住人の憩いの場の公園の名前にもなっているジェシー・オーウェンスの物語を!『グローリー/明日への行進』にてジョン・ルイスを演じていたステファン・ジェームスがオーウェンス役!1933年秋。世界大恐慌後のオハイオ州クリーブランドはどことなく寂れていた。朝から街を走るのがジェシー・オーウェンス(ステファン・ジェームス)。そんなジェシーも今日はオハイオ州立大に進む為に家を出る。貧しいながらも母は精一杯の努力で、日曜の教会用ではあったが、一張羅のジャケットをジェシーに用意した。父は恐慌後の為、仕事がなく家に居た。そんな父に1ドルを置いていくジェシー。そしてバスに乗る前に、生まれたばかりの自分の娘とその母でジェシーの彼女であるルース(シャニース・バントン)が働いている美容院に寄った。デイブ(イーライ・ゴリー)と共にバスで大学まで向かう。待っていたのが、ラリー・スナイダー(ジェイソン・サダイキス)コーチだった。コーチはジェシーの生まれながらの才能に気づき、3年後のベルリン・オリンピックに出場させるので、厳しい練習にもついてこい!と言い、ジェシーとコーチの2人3脚の猛特訓が始まる。しかし、黒人であるジェシーにとって大学や外での差別は非常に厳しく、そしてヒットラー政権のドイツで行われるオリンピックに、アメリカは出場するのか否かで揺れていた... ってネタバレしないようにお茶濁して書きましたけど、もう皆さん結果はご存じの通りですね!1636年ベルリン・オリンピックで、ジェシー・オーウェンスは4冠という前代未聞の偉業を達成した。ヒットラーが見ている前で!この映画の面白さは、もちろんそこにあるし、オリンピックの再現シーンは物凄い大がかりで圧巻の映像となっています。が、そこだけじゃないんだな。そこがゴールじゃないんだ。その先がちょっとだけあって、わーーーお!4冠やった!スゲー!ヾ(=^▽^=)ノってなっていたら、(´・ω・`)になりますた。切ない。実に切ない。差別なんて、カーッ(゚Д゚≡゚д゚)、ペッ( ゚д゚)、ペッって感じですよ。 ジェシーとコーチの関係性が主に描かれていますが、彼女ルースとの関係(映画見たら実際の2人を見たくなると思うのでここに置いておきますね)、最大のライバルであったピーコックとの関係、敵なのに親友となったドイツのルッツ・ロングとの関係、オリンピック委員会vsアスリート組合、ヨーゼフ・ゲッベルスとレニ・リーフェンシュタールの関係などなど、様々な関係が描かれているのが面白いんです。オリンピック委員会vsアスリート組合はね、ジェレミー・アイアンズvsウィリアム・ハートなんですよ!80年代にどっぷりと映画に漬かっていた私には、うぉーーーー!ってなりましたよ。この2人の共演を80年代に観たかったわー!と。しかも対立しているのが良いっすね!さすがに迫力あります。レニ・リーフェンシュタールの描写はあれであっているの?とは思いましたが、映画好きとしては面白かったですね。 所で、オーウェンス役のステファン・ジェームスとコーチ役のジェイソン・サダイキスが、先日行われたNBAオールスターのセレブリティゲームに映画のプロモーションも兼ねて出場していたのですが... サダイキスの方が上手かった!フィアンセのオリビア・ワイルドの前でちょーーカッコつけて良い所見せていた。っていうか、ジェームスは余りバスケやらなかったんだろうなっていうのがバレバレ。カナダは余りやらないのかな?ひょっとして運動神経鈍い?とすら思ってしまいました。がぁあああああ!この映画では立派な陸上選手に見えるからさすが役者ですね。腕の筋肉の付き方とか同じ。 如何にもハリウッドだなっていう所がありまして... ジェシーは後のアディダスの創設者となるダスラーの靴をオリンピックで履く事になるのですが、コーチが一生懸命探した感じになっている。しかし実際にはダスラー自身が、オリンピックで出来るだけ多くのアスリートに履いて欲しいと願って提供していたので、あの描写は出来過ぎ君だよね。良い感じに脚色しましたよね?っていう。まあそういう所はあったりしますが、全体的には良く出来た伝記映画ですね。『42 / 42~世界を変えた男~ (2013)』に感動出来た人は、この映画も好きだと思う。ってか、巷ではチャドイック・ボーズマンが伝記映画俳優として知られているけれど、ステファン・ジェームスもだよね。これと『グローリー』と、あと『When the Game Stands Tall / コーチ・ラドスール 無敵と呼ばれた男 (2014)』も実在する人物演じていた。そしてまたスポーツマン!運動苦手そうなのに(勝手に決めつけ)偉い! (1449本目) |
●● トリビア オリンピックの金メダリストであるジェシー・オーウェンスの自伝映画。オーウェンスに扮するのが、『グローリー/明日への行進』にてジョン・ルイスを演じたステファン・ジェームス。もともとはジョン・ボーイエガがキャスティングされていたが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』への参加のために降板。 監督は『プレデター2』のスティーブン・ホプキンス。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 * 映画秘宝EX涙の千本ノック! スポーツ映画大全集にて映画の紹介 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt3499096/https://en.wikipedia.org/wiki/Race_(2016_film) http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=356560 |
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