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●● レビュー History speaks現存する一番古いゴスペルの録音レコードは1902年のDinwiddie Colored Quartetが録音したレコードだ。そのゴスペルの歴史を振り返っていく。 ゴスペルはアメリカの黒人の間では一大エンタテイメント産業である。ヒップホップに出てくるようなケバイ女性だって、意外とゴスペルを聞いている場合が多いのに、私は驚いた事がある。グラミー賞やMTVの賞では見られないが、黒人専門チャンネルBETのアワードでは、かならずゴスペルのパフォーマンスがあり、しかも盛り上がるのである。そのゴスペルの歴史と黒人の歴史には大きな関係がある。チェーンに繋がれたまま不衛生な船に乗せられて連れてこられたアメリカの大地で、宗教を禁止させられ、彼らは綿を摘みながら歌っていた歌がゴスペルになった。1902年に初めて録音された音源がそうだったように、当初はカルテットが主流だった。そして30j年代に入り、トーマス・A・ドーシーはゴスペル音楽の楽譜を売り歩く。その時に使った若い歌手の一人が「ゴスペルの女王」マヘリア・ジャクソンだった。そのゴスペル音楽が、今やエンタテイメントの一角を担っているまでが、簡略に描かれている。 時代と共に変わっていくゴスペルの姿。今もまた形を変え、どんどんと変化していっている。何が黒人の心を捉えたのか?その何かが見えてくる気がした。 (Reviewed >> 7/15/12:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 という訳で先日に続いて観たゴスペルのドキュメンタリー映画です。先日のドキュメンタリー「Say Amen, Somebody / マザー (1982) 」はゴスペルシンガーのウィリー・メェ・フォード・スミスを追う濃いドキュメンタリーでしたが、今回のは最近作られたばかりで、ゴスペルの歴史を紐解くドキュメンタリーで、両者はどうもアプローチが違いますね。しかもこの作品、なぜかマーク・キューバンが製作総指揮を担当してます。って、マーク・キューバンの名前だけで気づいた人、ズバリNBAファンですね!ダラス・マーベリックスを買い取った人。元々成功した実業家で、映画も以前からちょこちょことやっていたけど、2000年からマグノリア・ピクチャーズを設立。割りと日本の映画をアメリカでも配給しているのがこの会社で、たけしの「アウトレイジ」とか松ちゃんの「大日本人」もマグノリア。そして私が大好きな「Night Catches Us / 日本未公開 (2010)」も、このマグノリアのお陰で全米で配給されたのです。そんなマグノリアが配給したのがこの映画。ってか、マーク・キューバンを知る人なら、「え?ゴスペル??」って思うよね。今回は多くのゴスペルシンガー達のインタビューあり、最古のゴスペルのレコードも聴けちゃうドキュメンタリーです。黒人の歴史とゴスペルの歴史は当然のようにリンクしていて、その関係性を分かりやすく伝えている。そして先日のドキュメンタリーにも出ていた近代ゴスペルの父トーマス・A・ドーシーについても語られる。ドーシーはいきなりゴスペルミュージックをやった訳じゃなくて、元々はその正反対の「悪魔の音楽」とまで言われたブルースシンガーだった人。若い頃の写真を見るとその片鱗が伺えますね。面白かったのが、ブラインド・ボーイズ達の対決。ゴスペルを知る人ならアラバマ・ブラインド・ボーイズとミシシッピ・ブラインド・ボーイズが居る事位、ご存知な筈。両者は直接対決をしていて、その対決についても触れていた。 音楽は常に変化しているが、このゴスペルだってそうだ。昔は4人組が主流だった。その主流はR&Bに繋がっていく。そして今はお互いを刺激しあう。ゴスペルのラップだってある。ゴスペルの歴史を探るのにちょうど良いですね。まあ知る人には物足りないかもだけど。 (1016本目) |
●● トリビア ゴスペルミュージックの歴史を遡るドキュメンタリー。2011年のブラックミュージック月間の6月にアメリカの劇場で限定公開される。 メイヴィス・ステイプルやスモーキー・ロビンソン、アンドレ・クラウチ等が出演。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt1600435/Not available from Wikipedia Not available from Allcinema |
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