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●● レビュー A Monumentalガンビアのマンディンカ族の村で青年の儀式を済ませたばかりのクンタ・キンテ(レヴァー・バートン)は、親を離れて一人で住むことになり、弟に頼まれたドラムを作ろうと近くの森へと行った。そこで見た事無かったトゥボブ(白人)に囲まれクンタは捉えられた。そしてクンタはロード・リゴニアに乗せられ連れてこられたのは、アメリカのアナポリスだった。奴隷として働かされるが、結婚して子供キジーが出来た時にクンタは故郷アフリカを忘れないで欲しいと、キジーに「我はマンディンカの誇り高き戦士!コはフィドルでカンビィ・ボロンゴは川の意味」と教えたのだった。キジーは自分の息子チキン・ジョージにそれを伝え、ジョージは息子のトムに教え、トムは娘シンシアに伝え、シンシアは娘バーサに伝え、バーサは息子アレックス・ヘイリーに伝えていったのだった... 1977年1月23日、歴史が変わった。ABCで放送されたミニシリーズは全米の心を捉えた。何がそんなに人々の心を捉えたかというと、やはりその壮大なストーリーだろう。アメリカの住む多くの黒人は、元々はアフリカからやってきた事は知っていても、実際にどのアフリカの部分から来たのか知らない人が殆どだ。学校の教科書を見ても分からない。昔から奴隷は黒人の間でも否定的だった。しかし何億もの人々が見るテレビの一番いい時間のプライムタイムに、この番組は初めて黒人の視点から奴隷を描いてみせた。クンタ・キンテはアフリカのルーツを忘れない、そして自由をまた手にするのだと、何度も逃亡を試みる。そしてアフリカの言葉を代々に伝えようとする姿に、黒人の人々は何か熱いものを感じたはずだ。そして時代は丁度ブラックスプロイテーションの末期。ブラック・イズ・ビューティフルのスローガンを手にいれ自信を取り戻した人々は、今度は自分の過去に遡り、またプライドを手にしたのだった。歴史を変えるに丁度良い雄大な長さと規模だった。 成長したクンタ・キンテを演じたジョン・エイモスの絶対的なプライド、クンタを面倒見るフィドラーを演じたルイス・ゴセット・ジュニアの優しさ、ベン・ヴァーレン演じたチキン・ジョージの明るさが忘れられない。 教科書では語られないアメリカの歴史が力強くここに記されている。誰もが忘れられない歴史的な瞬間を感じる事になる。クンタ・キンテのプライドが、アメリカのまた1つの歴史であった。日本人の心も大きく何かを得る事が出来るだろう。 (Reviewed >> Unknown, 8/3/11;DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 これをまた観たい。でも観るならじっくりと一気に観たい。なら夏休み中しかないでしょ?という事で、やっと今年の夏にようやく実現しました。昔は70ドル位したDVDセットも20ドル以下ですよ。というか、アマゾン変動するでしょ?一番安い時を見計らって買いました。ここから長くなるよ。そしたらさー、もうルーツ・ジャンキー。観てないともうダメ。多分寝言で「クンタ・キンテ、マンディンカの勇敢な戦士!コはバイオリン、カンビィ・ボロンゴは川の意味というのを娘のキジーに教えた。そのキジーは息子のチキン・ジョージに教えた」と言っていると思う。クンタ・キンテのカンビィ・ボロンゴのエピソードで号泣。というか、このシリーズはエピソード毎に必ず一回は号泣ポイントがありますね。6エピソードなので(TV放送は8エピソード)、最低6回泣きました。エピソード5以外は、かなりソープオペラ調ではあると思う。それには理由がある。5以外は全員白人の監督が担当。よってエピソードの1の奴隷船の話だって、なぜか船長は割りとヒロイックに描かれているのです。原作では殆ど出てこない。そしてエピソード5を担当したのが、ギルバード・モーゼス。私の大好きなブラックプロイテーションの1つ「Willie Dynamite / 日本未公開 (1974)」の監督。このエピソードの黒人の描かれ方が他とは別なのも面白いと思う。このシリーズ全体的にかなり感傷的に描かれているが、それでもこのエピソードだけはただ単に被害者としては終わらせていない。チキン・ジョージの息子トムが南部軍の軍人でしかも差別主義者の男をどうするか?というのも面白かった。そのトムと知り合った貧乏な白人青年の存在も面白い。ヒーローじゃない友人としての白人の存在がエピソード5にはありました。そして裏切り者だっていた。ナット・ターナーは出てこないけど、伝説として語られているのも面白い。今だったら多分全シリーズが黒人監督によって描かれる事になると思う。そうじゃなかったら、スパイク・リーが黙ってないと思うし。でもそうしたらそうしたで、今度は白人の観客が離れてしまって、このような歴史を変えてしまうような事にもなっていなかったかも?とも思う。 この作品については、この前お邪魔した得三さんでも話しましたが、当時は本当ーーーに凄かったのです。放送が始まるとどうせ人が入らないから店を閉めたり、逆にテレビがあるお店では「店内でルーツ放送中です」という張り紙をしたり、大学ではこの番組を見ると単位を貰える所まであったそう。視聴率は、最終回は未だに歴代の中で3位の51%。エミー賞は全部で36のノミネーション。多分もうこんな感じの出来事は起きないんじゃないかな?と思う。このテレビミニシリーズが出来たいきさつも実は面白い。ルビー・ディとオシー・デイビス夫婦が、この作品のプロデューサーとなるデビット・L・ウォルパーと食事をした。その時にルビーが「私の友達が今面白い本を出している」とアレックス・ヘイリーを紹介した。そしてアレックス・ヘイリーは、本の内容をウォルパーに話し始めた。ヘイリーの話も上手かった事もあって、ウォルパーはすぐにこの物語に惹かれ、本を買った。まさか、ルビー・ディとオシー・デイビスが一役買っていたとは!! そもそもこの作品以前は、アフリカ系アメリカ人の間ですら、アフリカという国のイメージが悪かった。そのアフリカのイメージを改善するのにも役立ったと言われている。そして奴隷という制度を黒人側から描いた作品でもある。今になってこの物語の正確性が問われているけれど、そんなの取るに足らない事。クンタ・キンテはもしかしたらアレックス・ヘイリーの本当の祖先じゃないかもしれない。この壮大なる物語は人々を大きく変えた。黒人の歴史にとっても大きな一歩だったし、テレビ界にとっても大きな歴史の1つになっている。俳優としてはこの作品に出れた事は一生の自慢だと思う。だからこそ次のネクスト・ジェネレーションではその俳優人の顔ぶれがもっと派手になって、凄い事になっている。それにしてもこのシリーズ一番の貢献者はルイス・ゴセット・ジュニアでしょう!彼の演じたフィドラーは最高である。これこそ名演技。素晴らしい。OJ・シンプソンが走る姿は凄いね。速いし驚くほどに腰を落としてるね。後はジ=ツ・カンブカがカッコイイ。あの役にぴったり。若きクンタ・キンテを演じたレヴァー・バートン、そして年配のクンタ・キンテを演じたジョン・エイモスも良いし、チキン・ジョージを演じたベン・ヴァーレンは暗いトーンを一気に明るくするゲームチェンジャーという感じで良い。女性はマッジ・シンクレアが素敵でしたね。強さとユーモアを持ち合わせた最高の女性。オリビア・コールはお淑やかながら芯の強さのある女性でしたね。チキン・ジョージに「行きなさい」というシーンは感動した。「私が愛した男性は自由人チキン・ジョージよ」って。自分だったそんな事言えるかどうか... このシリーズではクンタ・キンテがガンビアから連れてこられ、子孫を作り、1865年に南北戦争が終結し、クンタ・キンテの子孫が奴隷から解放されるまでが描かれている。上でも書いた通り、アレックス・ヘイリーが話上手だったというのは、やっぱり祖先から受け継がれたものでしょうね。アメリカに住む元奴隷の子孫達(という事で移民は除きます)の殆どが自分達の祖先がアフリカのどこから来たのか全く知らない人が殆ど。これでも描かれているように奴隷たちはあっちこっちと移動させられた事もあって、自分のルーツを探すのは困難。日本みたいに戸籍がある訳でもないのもある。うちの夫ももちろん知らない。おじいちゃんが隣の州出身というのを知っている位。アレックス・ヘイリーのように話を聞けた人々は少ないと思う。だからこそ、アレックス・ヘイリーが作り上げたクンタ・キンテ像は多分本当にああいう感じで誇り高きマンディンカだったんだろうと、容易に想像出来ます。話し上手なヘイリーにはグリオの才能が宿っていたのでしょうね。現代のグリオですよ。 にしてもデイブ・シャペルが自身の番組でこの作品のコントやったのだけど、それはそれで面白かった。
(0889本目) |
●● トリビア テレビ放映されるやいなや、全米にセンセーションを巻き起こしたテレビミニシリーズの本作品。これを機に、自分探しをする人物が増えたという。原作は「マルコムX自伝」でも知られるアレックス・へイリー。主人公のクンタ・キンテの青年期を演じたのが、レヴァー・バートン。成人期を演じたのが「星の王子NYへ行く」のジョン・エイモス。ルイス・ゴセット・ジュニア、シシリー・タイソン、モーゼス・ガン、タルマス・ラシュララ、リチャード・ラウンドトゥリー、OJシンプソンも出演。 音楽はクインシー・ジョーンズが担当し、エミー賞を受賞。 主演のレヴァー・バートンは当初ABCのエクゼクティブから唇が厚過ぎると役から降ろされそうになっていた。 全てのエピソードが歴代視聴率のトップ13(TV公開時は全8エピソード)までに入るという快挙を成し遂げた。最終回は今でも歴代3位。 エミー賞に36のノミネートされている。 放送が始まると店を閉めたり、TVがあるお店は「ルーツ放送中」の張り紙を出していた。大学では見るとクレジットになる所もあった。 プロデューサーのデビット・L・ウォルパーがこの作品に出会ったきっかけはルビー・ディとオシー・デイビスである。ウォルパーは2人とディナーを共にした際に、アレックス・ヘイリーという作家を連れてきて紹介し、このルーツの話をした。ヘイリーの話が面白すぎたので、すぐに本屋に行って本を買った。 放送後にはクンタ・キンテとキジーという名前が黒人の間で流行し、子供達につける事も少なくなかった。 アフリカのシーンはジョージア州サヴァンナで撮影。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 * American Cinema Editors, USA1978 Nominated Best Edited Television Special * Directors Guild of America, USA 1978 Won Outstanding Directorial Achievement in Dramatic Series' - Night 1978 Nominated Outstanding Directorial Achievement in Specials/Movies for TV/Actuality * Emmy Awards 1977 Won Outstanding Achievement in Film Sound Editing for a Series 1977 Won Outstanding Achievement in Music Composition for a Series (Dramatic Underscore) 1977 Won Outstanding Directing in a Drama Series 1977 Won Outstanding Film Editing in a Drama Series 1977 Won Outstanding Lead Actor for a Single Appearance in a Drama or Comedy Series : Louis Gossett Jr. 1977 Won Outstanding Limited Series 1977 Won Outstanding Single Performance by a Supporting Actor in a Comedy or Drama Series : Edward Asner 1977 Won Outstanding Single Performance by a Supporting Actress in a Comedy or Drama Series : Olivia Cole 1977 Won Outstanding Writing in a Drama Series 1977 Nominated Outstanding Achievement in Costume Design for a Drama or Comedy Series 1977 Nominated Outstanding Achievement in Film Sound Mixing 1977 Nominated Outstanding Achievement in Music Composition for a Series (Dramatic Underscore) 1977 Nominated Outstanding Art Direction or Scenic Design for a Drama Series 1977 Nominated Outstanding Cinematography in Entertainment Programming for a Series 1977 Nominated Outstanding Cinematography in Entertainment Programming for a Series 1977 Nominated Outstanding Directing in a Drama Series 1977 Nominated Outstanding Film Editing in a Drama Series 1977 Nominated Outstanding Lead Actor for a Single Appearance in a Drama or Comedy Series : John Amos 1977 Nominated Outstanding Lead Actor for a Single Appearance in a Drama or Comedy Series : LeVar Burton 1977 Nominated Outstanding Lead Actor for a Single Appearance in a Drama or Comedy Series : Ben Vereen 1977 Nominated Outstanding Lead Actress for a Single Appearance in a Drama or Comedy Series : Madge Sinclair 1977 Nominated Outstanding Lead Actress for a Single Appearance in a Drama or Comedy Series : Leslie Uggams 1977 Nominated Outstanding Single Performance by a Supporting Actor in a Comedy or Drama Series : Moses Gunn 1977 Nominated Outstanding Single Performance by a Supporting Actor in a Comedy or Drama Series : Robert Reed 1977 Nominated Outstanding Single Performance by a Supporting Actor in a Comedy or Drama Series : Ralph Waite 1977 Nominated Outstanding Single Performance by a Supporting Actress in a Comedy or Drama Series : Sandy Duncan 1977 Nominated Outstanding Single Performance by a Supporting Actress in a Comedy or Drama Series : Cicely Tyson 1977 Nominated Outstanding Writing in a Drama Series * Golden Globes, USA 1978 Won Best TV-Series - Drama 1978 Nominated Best TV Actress - Drama : Leslie Uggams * Humanitas Prize 1977 Won Humanitas Prize 60 Minute Category 1977 Nominated Humanitas Prize 60 Minute Category 1977 Nominated Humanitas Prize 90 Minute Category * Peabody Awards 1978 Won Peabody Award * TV Land Awards 2007 Won Anniversary Award 2007 Won Miniseries You Didn't Miss a Moment Of * Television Critics Association Awards 2008 Nominated Heritage Award 2007 Nominated Heritage Award |
●● サウンドトラック Quincy JonesSoundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0075572/http://en.wikipedia.org/wiki/Roots_(TV_miniseries) http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=25102 |
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