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●● レビュー When our hearts broke...様々な被害と傷、そして問題を残したハリケーン・カトリーナ。災害から1年経とうとする時に、ブラック・ムービーの鬼才スパイク・リーが、ニュー・オリンズの人々の心と問題に迫る。 オープニングからの悲惨な映像の数々に、既に胸が詰まる思い。カトリーナが上陸する前から日にちを追って、ニュー・オリンズに居た人々から話を聞いている。彼等の言葉が、悲惨な状況を語れば語る程、人々の想像を遥かに超えてしまっているが、スクリーンにはその悲惨な状況を映し出している。 4節に区切った事で、ニュー・オリンズの人々が、4度にも渡って苦難を乗り越えた事が分かる。災害前の不安、災害に遭った時の苦痛、災害後の極限状態、移動後のストレス... そんな最中にフェラガモで靴の買い物をしているコンドリーザ・ライスの映像を入れたり、ブッシュ大統領の母親であるバーバラ・ブッシュの問題となったインタビューを入れたりと、責任の追及を映像と共にしている。 更には、災害後の救出時に囁かれた、黒人への差別。救済時の不手際により、救済の遅れ、そして家族が無残にバラバラに避難地に送られた事を、スパイク・リーは「奴隷時代と同じだ」とメッセージを送る。タイトルの「When the Levees Broke(堤防が壊れた時)」は、以前ミシシッピの洪水で、わざとニュー・オリンズの堤防が壊され、プアホワイトが住む地域が大きな災害に遭った時の事を歌ったブルースのタイトルだ。今回も、わざと堤防が壊されたのでは?という問題にも映像やインタビューで迫っている。 さらにリーは、被災者達の心にも迫る。水も食べ物もない地獄絵のような避難地となったスーパー・ドームで、ラジオという男が手を叩き始め、人々は自然にゴスペルを口ずさみ始める。人として我々も何かできる事は無いのか?と、心が痛む。何も出来なかった自分を責めたくなる。責めるのは政府だけじゃない。自分達も...だ。 映像とは恐ろしく残酷で、心が引き裂かれる。 (Reviewed >> 8/21&22/2006) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア ハリケーン・カトリーナから1年経とうとする時に、スパイク・リーが製作したドキュメンタリー。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://imdb.com/title/tt0783612/http://en.wikipedia.org/wiki/When_the_Levees_Broke Not available from Allcinema |
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