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Cast >>Turron Kofi Alleyne (John Davis), Tyler Hollinger (Warren Reese), Tom Martin (James Kennedy) ...
Director >>Samuel D. Pollard
Writer >>Sheila Curran Bernard
Producer >>Daphne McWilliams
Genre >>Documentary
Country >>USA

 総合ポイント 5点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>N/A 演出 >>5 音楽 >>5

 レビュー
Blacks life exploited to build American economy
2009年にピューリッツァー賞一般ノンフィクション部門を受賞したダグラス・A・ブラックモンの同タイトルの著書を元に制作されたドキュメンタリー。南北戦争が終わり、奴隷解放宣言の後にも、名前を変えて奴隷のように扱われていた黒人について語られている。

奴隷解放宣言から今年はちょうど150年。奴隷解放はされたが、その後に南部の黒人がそれ以上に虐げられていたのは、歴史の教科書でも知る限り。ジムクロウ法であったり、シェアクロッパーという名の信じがたい条件であったりした。そしてこのドキュメンタリーでは、黒人の囚人が「リース」という形で、最低の条件で働かされていた事実が明らかになっている。南北戦争で負け、奴隷という働き手を失った南部の人々は商売や財産を失った。そこで彼らは囚人を「リース」したのだった。奴隷解放宣言が出されてから3年後の1866年にアラバマで始まっている。主に電車の線路作りをやらされた。もちろん囚人にはお金は入らない。しかしこれが主流になってくると黒人の囚人が足りなくなってくる。そうすると冤罪でもなんでも勝手に囚人にしてしまうのだった。食事もろくに与えられず、衛生面でも問題があったので、そこで亡くなる者も少なくなかった。これは、第2次世界大戦で、日本がパールハーバーを攻撃するまで続いたのだった。パールハーバー攻撃から5日後にようやく政府が動いた。

実際の黒人の囚人の子孫や逆に使用していた白人の子孫が出演し語っていくのも興味深かった。その一人が黒人初のアメリカ合衆国司法長官であるエリック・ホルダーの妻であった。その事実と歴史も面白い。これを観たらその事実に黒人は怒りを覚え、そして白人は恥を感じるだろう。奴隷の歴史とはアメリカにとってそういう事なのだ。
(Reviewed >> 1/19/13:TV放映にて鑑賞)

 100本映画
やっと観れた。サム・ポラードの作品。サム・ポラードはスパイク・リーの下で編集とか制作とかやっているスパイク傘下の人。監督としては、このようにドキュメンタリーが好きみたい。ニューヨーク大のTischで編集教えているらしい。今年のサンダンス映画祭も既に盛り上がっていますが、去年のサンダンス映画祭で上映された作品。

夫が先に見ていて、怒ってたんだけど、後から観て納得。そりゃ怒りますよ、この事実を知った日にはね。タイトルがここまでぴったりな作品も珍しい。「別の名前を使った奴隷制度」。奴隷制度は1863年に奴隷解放宣言によって禁止された筈だったが、実際は名前を別に変えて行われていたという事実。それを追ったのが南部出身の新聞記者ダグラス・A・ブラックモン。この人、白人の記者。高校時代は半数以上が黒人という高校に通っていた人。彼が書いた同タイトルの本は、ピューリッツァー賞を受賞。この作品でももちろん語っております。今は縁あって南部に生息していますが、今まで住んでいた所...たとえばカリフォルニアとは違うなーってすぐに感じました。何が違うって、はっきり言えば白人男性ですね。覚悟はしていたけれど、正直びっくりしました。あからさま。「arrogant(傲慢な、横柄な)」っていう単語がよくお似合い。運転の仕方もだし、態度がそういう風に現れている。でももちろん全員じゃないよ。逆にこんな優しい人見たことない!っていう位に、スイートな人も居る。もちろん普通の人も居る。でも酷い人はこんな酷い人見たことないって位に酷い。だから余計に分からないし、混乱しますわ。南部は極端なのよね。カリフォルニアでは、表には現さない人ばかりでみんな平均。差別とは感じないのよね、表上は。住んでみると、その違いがすぐに分かるよ。

ちなみに映画では奴隷状態で働かされていた人の子孫と、使っていた側の子孫が出てきて話している。両方の話が聞けるのも面白い。しかもその働かされていた子孫の一人が、オバマ政権で司法長官を務めているエリック・ホルダーの妻シャロン・マローンが出演し話している。

チェイン・ギャングとかは知っていたし、冤罪の黒人男性が長いこと...下手したら死ぬまで囚人だったという話は聞く。コメディで軽くだけど「Life / エディ&マーティンの逃走人生 (1999)」でもそれは描かれている。うちの夫は小さい頃にチェイン・ギャングが道端で働かされているのを見ているらしい。いや、囚人が働かされているのは良いと思う。刑務所や監獄も税金使うし、それで賄えるなら良い。アイス・キューブも曲で「監獄は億万ビジネス」ってラップしてたね。でもそれが黒人だけだったというのが問題な訳だ。後々白人のジョン・W・ペースという人物が「Peonage(囚人労働・ただ働き)」で罰せられた。このペースは精神的に黒人を追い詰めていた。ただで働くのが当然の事だと。しかも町の裁判官が仲間で、何でもない罪でもペースのプランテーションで働く事を余儀なくされたらしい。面白いのが同じ裁判官がペースに禁固5年の刑を言い渡したという事。しかし当時の大統領であるセオドア・ルーズベルトがペースに恩赦を与え、ペースは一度も刑務所も監獄にも入っていない。でも黒人の多くはセオドア・ルーズベルトを信じていたから、中には家族が囚人労働させられているから助けて欲しいとルーズベルトに直接手紙を書いた人達も多かった。もちろんルーズベルトは返事をしていない。意外だよね。セオドア・ルーズベルトって、割りとアメリカでは人気のある大統領。これが1901年とか1903年の頃。

で、これがいつ終わったか...ですよね。なんと日本がパールハーバーを襲撃した5日後。パールハーバーを襲撃された当時の大統領フランクリン・ルーズベルトが「なぜ日本はアメリカを攻撃するのかね?」と訪ねた所、ある人物が「アメリカに於ける黒人の扱い方です」と答えたからと言われている。その5日後にルーズベルトは大統領令第3591号に署名した。それは「白人がただ働きや不本意な奴隷状態にさせたら積極的に起訴する。そして1942年にはこの奴隷状態の形を終了させてる事」という事だった。という事で奴隷状態だった事をアメリカは認めた形なんですよね。という事は奴隷解放から今年は150年だと思っていたけれど、本当はたったの71年目だったという事です... そりゃ怒るわ!

そして日本が関わっていた事が私には非常に興味深い。うちの夫は「たまたま」と言っていたけど、私はたまたま説は信じていない。そうなると、疋田保一とか中根中とかの合点していく。そして日本が第2次世界大戦での本当の敵というのも分かってくる。やっぱりそうだったんだ!と思えてくる。見る人によっては色々な気持ちが湧くんじゃないかな。久々に色々と調べたくなるパワーの持つ、面白いドキュメンタリーだった!

 トリビア
長年スパイク・リーの下で編集をしていたサム・ポラードの監督作品。ダグラス・A・ブラックモンの同名の著書を元に制作されたドキュメンタリー作品。サンダンス映画祭にてプレミア上映され、その後にアメリカではPBSチャンネルにて一般放映される予定。

 その他

 受賞歴

 サウンドトラック


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 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt1855347/
http://en.wikipedia.org/wiki/Slavery_by_Another_Name
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Last Modified: 2012-01-28
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