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●● レビュー I'm a Happy Cowboyボブ(ハーブ・ジェフリーズ)とダスティ(ルシアス・ブルックス)は、テキサスから新しい町にやってきた。その時、ブラッドリー(クラレンス・ブルックス)が、ジム・デニソンのラジウム鉱山を狙っており、ブラッドリーの手下がジムを殺してしまう。2人は急いで死体を隠した。2人が去っていく姿をボブとダスティは目撃し、デニソンの家を訪ねてみるが、誰もいなかった。ボブはデニソンの家に飾ってあった美しい女性マーガレット(アーティ・ヤング)の写真を見て、恋に落ちてしまった。ボブはこっそりその写真を持ち出してしまった。その後、ボブとダスティは牧場のボスであるワトソン(スペンサー・ウィリアムス)と会った。そこで、ブラッドリーとも会い、ボブがブラッドリーがデニソン家から去るのを見たと告白してしまい、更にはブラッドリーがマーガレットも狙っていると知るが、ブラッドリーの策略でボブが牢屋に入れられてしまい... 数々の歴史に名を刻んできた伝説の人々が出演しているB級のウエスタン映画である。主役ボブを演じたハーブ・ジェフリーズはこの当時、唯一の歌う黒人カーボーイ俳優として名を馳せた人物。ブロンズカーボーイと言われ親しまれた。映画から一時離れ、デューク・エリントンのバンドで歌った時期もある程の美声の持ち主。スペンサー・ウィリアムスは俳優として「アモス・アンド・アンディ」で知られているが、当時は希少だった黒人監督であり脚本家でもあった。そしてフローノイ・ミラーは音楽家としても知られ、戯曲家でもあった。この映画はウィリアムスとミラーの共同で書かれた作品。そして撮影で使用されたマーレイのデュード牧場は、黒人のビジネスマンが所有していた黒人専用の避暑地。物語はその貴重で希少な才能や場所を生かした黒人の経験というより、白人が主役のカーボーイ映画をそのまま黒人キャストが演じただけの低予算映画ではある。でもサイドキックのダスティが面白いし、いい奴。そしてジム・デニソンのオチは凄い。 しかしハーブ・ジェフリーズが歌いカッコいいカーボーイを演じ、スペンサー・ウィリアムスとフローノイ・ミラーが物語を書いているというだけで、十分に見る価値のある映画だ。 (Reviewed >> Unknown, 12/20/12:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 今年のまとめ的な感じから、完全に「Django Unchained / ジャンゴ 繋がれざる者 (2012)」に焦点を合わせて、これからは黒人ウェスタンをおさらいしようかと思ってます。で、とりあえずは家にある作品から片っ端から見ようかと。まあ「ジャンゴ 繋がれざる者」は、イタリアの「続・荒野の用心棒(1966)」という作品を元にしているので、本来ならそっちを見なくちゃいけないんですが、手元にないので後日また。しかもマイケル・ジェイ・ホワイトせんせーが「Black Dynamite / 日本未公開 (2009)」の続編は、ウェスタンのジャンルになると語っているので、それもあるしね!!という訳でこの作品を。この映画の主役ボブを演じたハーブ・ジェフリーズは、黒人として唯一ウェスタン俳優として知られている人物。1937-1939年で「Harlem on the Prairie / 日本未公開 (1937)」、「Two-Gun Man from Harlem / 日本未公開 (1938)」、「The Bronze Buckaroo / 日本未公開 (1939)」、「Harlem Rides the Range / 日本未公開 (1939)」という4本のウェスタン映画の主役を務めている。しかもただのウェスタン俳優ではなくて、歌うカーボーイとしても有名。ジェフリーズは映画から離れた40年代に、なんとあのデューク・エリントンのバンドでボーカルを務めた事もある人物。凄いよね。しかもこの映画はオールブラックキャストで、しかもオールスターと言ってもいい程。ジェフリーズの他に、スペンサー・ウィリアムスやフローノイ・ミラーが出演。監督こそは白人だけど、スペンサー・ウィリアムスとフローノイ・ミラーが脚本を書いている。当時じゃ珍しい。スペンサー・ウィリアムスは黒人から悪評高い「アモス・アンド・アンディ」という、黒人のステレオタイプをバカにした番組でアンディを演じていた有名な人だけど、実際には「The Blood of Jesus / 日本未公開 (1941)」という当時の黒人とクリスチャンを描いた作品を作ったりしていた人。当時、黒人が監督を任されるというのは希少。そんな彼がなんで「アモス・アンド・アンディ」なんていう番組に出るようになったのか、私には謎。まあ多分というか絶対、当時の黒人俳優にはそういう作品と役しかなかったんだよね。まあ今もそんなに変わらなくて、ちょっと良くなった位なものだけどね。 この映画は主役が黒人じゃなくても良いくらい、普通のウェスタン作品。たまたま町に流れついた男達が、事件に絡まれて、ヒロインと恋に落ち、そして事件も解決。でもこの映画の裏側にあるストーリーは黒人ならではである。この映画が撮影された牧場は、ロサンジェルスでビジネスマンをしていた黒人のN.B.マーレイという人物が所有していた牧場。「N.B. Murray's Dude Ranch」として知られており、あのレナ・ホーンやジョー・ルイスにハティ・マクダニエルズが休暇で利用していた黒人用の牧場。まあ黒人用と言っても、黒人が白人のを使う事は許されなかったけれど、白人が黒人のを使う事は平気なので、クラーク・ゲーブルも訪れた事があるらしい。ちなみに1937年から1939年の間の4本の作品のうち、3本は同じ監督。制作会社はみんなバラバラ。でも大体みんな同じような顔ぶれ。この時代にハーブ・ジェフリーズが出た「Rhythm Rodeo / 日本未公開 (1938)」という作品は主役じゃないぽい。その作品はしかも黒人のジョージ・ランドルが監督・脚本という作品。3本はこの牧場で撮影されている。ちなみにロサンジェルスの外れのカリフォルニアにある。なので、タイトルは「ハーレム」となっているけど、ぜーーーーーんぜんハーレム関係ない!ハーブ・ジェフリーズもハーレム出身じゃないし。まあ「ハーレム」つけておけば、黒人映画だと分かるでしょ!的なノリかもしれない。 ちなみにこの映画は権利切れしているので、無料でダウンロードして見れるよ。 というか、凄いのはハーブ・ジェフリーズは現在99歳!96歳位まで、普通に舞台に立っていたらしいよ。感激しちゃうわ。 (1066本目) |
●● トリビア オールブラックキャストによる、ウエスタン映画。ブロンズの(ハンフリー)ボガードと言われたハーブ・ジェフリーズが主演で、「アモス&アンディ」のスペンサー・ウィリアムスが共演。そのスペンサー・ウィリアムスと有名な作曲家でもあるフローノイ・ミラーが脚本を書いている。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック 1. "I'm a Happy Cowboy" - Herb Jeffries and The Four Tones2. "Prairie Flower" - Herb Jeffries and The Four Tones Soundtracks not available |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0031406/http://en.wikipedia.org/wiki/Harlem_Rides_the_Range Not available from Allcinema |
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